もの言う株主は変化したのか?
以下の記事をご覧ください。一部抜粋します。東洋経済の記事でもサッポロHD社長が「スティールパートナーズは買収屋だけど3Dはアクティビストだから違う」といった趣旨のことを発言していますが、両方ともアクティビストですよ。儲けるためのタアプローチが異なるだけ。そこを誤解するとえらい目にあいます。
https://www.nikkei.com/telling/DGXZTS00008960Z20C24A1000000/
物言う株主にも変化
企業と株主の関係も大きく変わってきた。これまでは株式の買い占めによる経営介入の要求が目立っていたが、資本効率の向上やガバナンス(企業統治)の改革を促す「マイルドかつ建設的な」内容にシフトしている。大和総研の神尾篤史主任研究員は「稼ぐ力を高めるような提案をすることで経営陣にも緊張感が生まれ、企業価値向上につながっている」と指摘する。
これも同じですよ。「これまでは株式の買い占めによる経営介入の要求が目立っていたが、資本効率の向上やガバナンス(企業統治)の改革を促す「マイルドかつ建設的な」内容にシフト」とあるけど、いやどこがどうシフトしているの?
これ、具体的にどのアクティビストを想定していていますか?前者の「株式の買い占めによる経営介入・・・」というのはたぶん旧村上ファンドのことでしょう?後者って誰ですか?旧村上ファンドだって、資本効率の向上やガバナンス改革は主張していましたよ。スティールパートナーズだって同様です。
これまでのアクティビストの提案はマイルドではない建設的でもない提案だったってことですか?で、現在のアクティビストは「マイルドかつ建設的な内容にシフト」しているの?時価総額3兆6,000億円の三井不動産に1兆円規模の自社株買いを要求するのマイルドかつ建設的なんですか?以下は?
・京成電鉄に持ち分法適用のオリエンタルランド株を売却せよ
・サッポロに恵比寿の土地を売れ
・北越に持ち分法適用の大王製紙の株を売却せよ
・セブン&アイに祖業を売れ、というのが建設的かつマイルドな内容?
・富士ソフトにMBO・非公開せよ
これらのどこが建設的でマイルドな内容なんでしょうか???誤解していません???
アクティビストもやり方を変えているんですよ~、今までは何十%もの株を買って圧力をかけてたけど今はそんなに買わないんですよ~、本業での稼ぐ力を高めるような提案をしているんですよ~、って思ってます?
まったく違う。今までだって旧村上ファンドのように20%も30%も「買わない」アクティビストはいましたよ。スティールパートナーズだっていっぱい買ったのはアデランスくらいでは?TCIもそうですね、そんなには買わない。むしろ、大量に株を買ってたのは旧村上ファンドくらいなんですよ。ホカノアクティビストってそこまでは買わないんです。そしてみんな、その会社にとって役に立つのかどうかは別として、本業での提案もしていましたよ。旧村上ファンドだって本業の提案、してたでしょ?
昔も今もおんなじですよ。全然アクティビストは変わっていませんよ。株を買って大儲けするために、手を変え品を変え上場会社に圧力をかけているのであり、時代によってその手法は変わるかもしれないものの、必要に応じて怖い顔をしてみせたり、優しい顔をしてみせたり・・・そんなの、お金儲けをするための戦略にすぎません。
「稼ぐ力を高めるような提案をすることで経営陣にも緊張感が生まれ、企業価値向上につながっている」 言っていることがあまちゃん過ぎてちゃんちゃらおかしい。アクティビスト対応は食うか食われるか。最後はストラテジックバイヤーが登場して会社を買収されることもある。「上場している以上は買収されるのは仕方がないんだ!」 あ、そう。じゃあ買収されてしまいなさい。
私は「絶対に買収なんてされてたまるか!うちは自主独立の経営を死守するぞ!」という会社を応援し、サポートします。それくらい気合入れてやらないと、これからの時代、生き残っていけませんよ。