2019年03月07日

物言う株主 買い増し最高 昨年66社で増配など要求

3月3日の日経2面に掲載されていた記事です。記事にはダルトン、エフィッシモ、レノ、エリオット、オアシスの名前があります。最近、これらのファンドの動きは活発化しています。この記事のポイントは

株式相場の動きも影響しているようだ。世界的な景気の不透明感などから日本株の上値は重いが、アクティビスト的な手法なら株価動向にかかわらず増配などでリターンを狙うことが可能になる。

というところでしょう。世界的に景気が不透明なのであれば、会社も増配や自社株買いなどは控え、内部留保を厚くしておきたいところですが、アクティビストのターゲットになるとそうさせてくれません。大きな声で「吐き出せ!」と言われます。安定株主比率が高ければ無視すればよいですが、完全に無視できる会社は今では少ないでしょう。また、安定株主比率が高く今までであれば無視できた会社も、アクティビストが戦略を変えてきました。相当割合の株式を保有し、何度も何度も株主提案などをしてきます。会社も「ずっと対応するくらいなら、アクティビストの要求をある程度呑もう」と考えて増配や自社株買いを選択するでしょう。

最近、日経でアクティビスト関連の話題を取り上げることが少しずつ増えてきたような印象があります。いずれコラムでまとめますが、3月1日の日経19面には「対話で株主還元厚く ファンドなど統治改革糸口に」という記事があったり、2月21日の日経19面には「ファナック 株主還元に影」という記事があったりしました。他にもアクティビストは直接的な関係はないかもしれませんが、2月21日日経13面「有価証券報告書 開示情報を充実」、2月22日日経17面「運用会社 社外取締役増を」「株主総利回りで取締役選任判断 エフィッシモ」18面「MBOに群がる投資家」、2月23日日経15面「持ち合い株で相次ぎ評価損」などの記事がありました。それに加えて「ガイアの夜明け」では村上ファンドが特集されました。

注目点はいずれの記事、番組もアクティビスト・ファンドを悪く取り扱っていないという点ではないでしょうか?

持ち合い解消が進んだり、既存の買収防衛策の廃止せざるを得なくなったり、「会社」を有事に守るための術がドンドン少なくなってきています。先日私がご紹介した新型企業防衛策の導入を真剣に考えてみてもよいのではないかと思います。

 

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