2024年05月29日

朝日新聞さんに当方のコメントが掲載されました。ローランドDGvsブラザーの件

以下の朝日新聞さんの記事に当方のコメントが掲載されました。

さらば「敵対的買収」タブー視消え続々 指針や統治改革で潮目変化

https://digital.asahi.com/articles/ASS5W25Z1S5WULFA00LM.html

企業買収に詳しいIBコンサルティングの鈴木賢一郎氏は、「TOBは価格が正義。ブラザーは淡々と価格を引き上げれば良かったが、それをしなかったのは敵対的買収を甘く見ていたと言わざるをえない。ローランドDG側は、5370円に引き上げる一方で、『ディスシナジー』を強調してひどい泥仕合になっているようにみせた」と分析。その上で、「ただ、ブラザーが出てこなかったら、既存株主は5035円という安値で経営者に売らないといけなかった。それは経営者による搾取と言われかねない行為だ」と指摘する。

ブラザーだけではないと思いますが、経済産業省の指針が制定されたからと言って、上場会社が敵対的買収を仕掛けられたら「はは~!TOB価格が高いので、おおせのとおり、わが社は貴社の子会社になりまする~!」なんて言う人いないんですよ。同意なき買収という言葉にかわろうが、上場会社は「敵対的買収!」「乗っ取り!」って見なすんです。よい・悪いは別として。

それが現実。敵対的買収とは非常に泥臭いものだし、対象会社は徹底的に争ってきます。そりゃ当たり前。買収されたらクビにされるかもしれないんですから、必死ですよ。逆だったら?と考えてみてくださいよ。私は何も「だから敵対的TOBなんてするな!」とは言っていません。敵対的買収、おおいにけっこう!私は敵対的買収時代が必ず到来すると思ったから自分の会社を作ったんですよ。アクティビストが大挙して押し寄せてくる、必ずそういう時代に日本はなると考えたから、企業防衛・攻撃のアドバイスをする会社を作ったんですよ。

敵対的買収、やればいいんです。ただし、覚悟を持ってやりなさいよ、ということです。既述の通り、相手は必死に抵抗しますし、貴社のネガティブキャンペーンをガンガンやります。調査会社、探偵を使って経営者のスキャンダルを探し出そうとします。それを週刊誌に売ります。そういう可能性があることを踏まえてやりなさいよ、ということです。

「指針があるから真摯に検討しろー!」 何を甘いこと言ってるんだ?という話です。敵対的買収というのは対象会社にとっては攻撃であり、戦争です。戦争を仕掛けるという覚悟も持たずに敵対的買収なんてするな、ということです。

ブラザーは誤解したのでは?指針があるからとか不誠実な態度だとか・・・ローランドDGにとっては「おたくのほうが不誠実だよ!」でしょうね。もちろん、いい悪いは別。対象会社は現実としてそう捉えるということ。

ただ、ローランドDGvsブラザーって、さほど難しい戦いでもなかったと思いますよ(仕入れ値の話は別として)。ブラザーが敵対的買収というのは価格合戦と言う名の泥仕合ということさえ認識していれば、十分に勝てたと思います。戦い方を間違えましたね。

 

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