2026年03月02日

豊田自動織機の非公開化が落ち着きそう~TOB価格18,800円→20,600円に引き上げ~

以下、豊田自動織機の非公開化に関して、TOB価格が引き上げられました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120260302573007.pdf

以下は、当初のTOB期限であった2月12日に、TOB期限を3月2日まで延長すると公表した際のプレスです。18,800円が最善の価格であり、関係者で十分な協議を重ねて決定した価格であり、そして豊田自動織機の本源的価値を反映した価格じゃなかったの?という疑問は沸きますが・・・。

https://www.toyotafudosan.com/new2024/wp-content/uploads/2026/02/20260212.pdf

なお、公開買付者が 2026 年2月2日に公表した「株式会社豊田自動織機の株券等に対する公開買付けに関する方針について」に記載のとおり、公開買付者は、本公開買付価格が対象者の本源的価値を反映した最善の価格であると考えており、かつ、本公開買付価格を変更する意向を有しておりません。公開買付者は、本公開買付価格は、トヨタ不動産が 2025 年6月3日に公表した「株式会社豊田自動織機の株券等に対する公開買付けの開始予定に関するお知らせ」に記載の買付価格 16,300 円を基に、同日以降の対象者を取り巻く事業環境の変化や対象者が保有する上場株式の株価上昇などを勘案した上で、対象者及び本特別委員会との間における複数回に亘る真摯かつ十分な協議を重ねて決定した価格であり、対象者の本源的価値を反映した価格であると考えております

まあ価格を引き上げるのはわかります。そうしないとTOBが成立しないからでしょうけど、他にもいろいろとやりようはあったし、トヨタグループという日本を代表する会社が、このようにアクティビストに屈するようなマネはしてほしくなかったというのが私の本音です。

さらに言えば、豊田自動織機に非公開化などしてほしくなかったですね。以下のような理由で・・・。

その結果、トヨタ自動車は、対象者が現在のビジネスの基盤を維持・強化しながらも、短期的な業績悪化の懸念にとらわれず、トヨタグループのプラットフォーム(ネットワーク、事業、技術、人材等)を最大限に活用し、トヨタグループ各社との事業連携・協調を深め、新たな販路や事業を切り拓いていくことで長期的な視点でモノの移動に関するリーディングカンパニーとしての成長を実現していくことが対象者の企業価値向上ひいては「モビリティカンパニーへの変革」にチャレンジしているトヨタグループ全体の価値向上に資すると考え、トヨタグループ各社における資本関係の見直しを進める中で、対象者において非公開化を検討すべきとの判断に至ったとのことです。

豊田自動織機の非公開化の理由は、修飾語をすべて排除すると「短期的な業績悪化の懸念にとらわれず長期的な視点で成長を実現していくことが対象者の企業価値向上ひいてはトヨタグループ全体の価値向上に資すると考え対象者において非公開化を検討すべきとの判断に至った」ということです。

上場会社の皆さんに誤解してほしくないのは「長期的な視点での経営は非公開化しないとできない」わけではなく、むしろ「さまざまなステークホルダーに注目され、緊張感・規律のある中で経営をし、中長期的に価値を向上させるのは上場したままの方がよい」ということだと私は考えます。

何度も言いますが、中長期的な視点での経営が非公開化しないとできない、非公開化をするのが最善ということであれば、むしろ豊田自動織機ではなく、グループの中核企業であるトヨタ自動車こそが非公開化をすべきでは???非公開化しないと中長期の経営ができないのなら、上場会社など不要ですよ。東京証券取引所もつぶれます。

上場会社がなくなってもいいのですか?「再上場させればええんやで。1粒で二度おいしい」と思っている人たちのなんと多いことか・・・。あきれてものが言えない。金儲けのためなら、上場会社の社員の気持ちなどどうでもいいということなのかな?とさえ思ってしまいます。

まあなんにせよ、アクティビストの圧力によって豊田自動織機のTOB価格が二度も修正されたことで、日本の上場会社を取り巻く環境はなおいっそう厳しくなったと思いますよ。今こそ上場会社は「我々は上場したまま中長期的な価値を実現させるんだ」と毅然と主張すべきでしょう。

トヨタグループって、私はすごい会社だと思うんですよ。「なぜを5回繰り返す」 しかし今回「なぜ非公開化が必要か?」を繰り返し確認した相手は全員、豊田自動織機が非公開化したら大儲けできる人たちばかりだったのではないでしょうか?

https://www.dailyshincho.jp/article/2025/08201100/?all=1

トヨタグループはすごい会社です。でも、いかんせんその偉大なトヨタグループであっても、敵対的買収やアクティビスト対策に関しては失礼ながら素人なのです。大半の上場会社がそうなのです。「会社は株主のもの」「持ち合いは経営者の保身」「買収防衛策など悪」 全部間違ってますよ。会社は株主のものではないし、持ち合いは経営者の保身で行っているものではない。買収防衛策は買収への対応方針であって、買収防衛策ではなくk、初めて対峙する敵対的買収への時間と情報を確保するためのもの。有事型買収防衛策などもってのほか。有事にしないために平時のうちにいかに考えるかということが大切なのに。

みなさん、間違っても非公開化などしてはいけません。トヨタグループが身をもってそれを示してくれたということにしておきましょう。

 

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