2019年03月08日

デサント役員激白「我々はアリでも言うことは言う」

3月8日の日経ビジネスにタイトルのような記事がありました。デサントの田中嘉一・取締役専務執行役員がインタビューに答えたものです。

-TOB後の伊藤忠は4割の株を持ちます。資本の論理を考えると、株主総会で取締役選任議案に反対された場合、田中さんを含め現経営陣がクビになる可能性が高い。それでもなぜ戦うのですか。

田中:確かに今回のTOBは失敗しないTOBであり、伊藤忠に4割の株を持たれるだろう。そうすると株主総会で厳しいのも理解はしている。自身の保身を考えれば当然、長いものに巻かれた方がいいし楽だ。しかし本当にそれがデサントという会社、従業員、ほかのステークホルダーの将来にとっていいことなのか。そこを考え覚悟をもって反対している。保身でもなんでもない。

「本当にそれがデサントという会社、従業員、ほかのステークホルダーにとっていいこなのか。」

それを言うのが遅すぎたし、武器もなしに言っても伊藤忠は聞いてくれないでしょう。いまさらこんなことを言っても何も解決しません。TOBが始まってから「伊藤忠のやり方はおかしい!」と大きな声で主張しても、関係のないマスコミや一般人は聞いてくれるかもしれませんが、デサントがご自身の意見に耳を傾けてほしいほしいのは誰なのでしょうか?株主ではないですか?2,800円というTOB価格を提示された株主がこのようなデサントの意見に耳を傾けてくれますか?傾けてくれたとしても、TOBに応募するでしょう。

デサントは伊藤忠の影響力が高まることが確実なのに、いまさらこんなことを主張するくらいの度胸と根性があるのならなぜ伊藤忠がTOB前に保有割合を高めた時点で買収防衛策を導入しなかったのでしょうか?

平時からちゃんと企業防衛体制について検討しておかないと、こうなりますという手本です。

 

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