2019年03月24日

そろそろ買収防衛策を廃止する企業がまた増えてくるでしょう。でも川崎汽船のようになるリスクがありますよ!

来月末から5月上旬になると、2019年6月総会で買収防衛策の更新を迎える企業が、買収防衛策を継続するのか廃止するのかを公表するでしょう。

安定株主比率が低い会社はドンドン廃止することでしょう。そしていつの日か、川崎汽船のようにアクティビスト・ファンドに大量の株式を買われてしまうかもしれません。川崎汽船は買収防衛策と呼ばれる事前警告型ルールを廃止しました。そしてその直後といってよいほどのタイミングでエフィッシモが大量保有報告書を提出しました。あれよあれよという間に保有割合は38%になりました。そしてエフィッシモは大量保有報告書における保有目的を「純投資」から「投資及び状況に応じて経営陣への助言、重要提案行為等を行うこと」に変更しました。今年の株主総会はどうなるのでしょうか?

買収防衛策を継続するかどうか悩んでいる皆さん、廃止すると基本的には同じような内容の買収防衛策と呼ばれる事前警告型ルールを導入することは難しくなります。何かあったときに「廃止するんじゃなかった・・・」と後悔することになります。

「でも安定株主比率が低くて株主総会に継続する旨の議案をかけても否決される可能性が高い」 本当に可決させるための方法はないのでしょうか?よく考えましたか?株主が認めてくれるための工夫をしないとダメですよ。もしくは抜本的に内容を変えないとダメです。

貴社に対して敵対的TOBが実施される可能性はゼロですか?エクセレントカンパニーである伊藤忠はデサントに敵対的TOBをかけました。村上ファンドは廣済堂のMBOに対してカウンターTOBを仕掛けました。村上ファンドに株式を取得されていた新明和工業はプレミアム付きの自己株TOBを実施しました。2019年はまだ始まったばかりですが、このような事例が3つも出ました。

本当に買収防衛策を廃止ししてよいのかどうか、よく考える必要があります。川崎汽船になってしまうリスクはどの会社にもあります。本格的な敵対的買収時代を迎えるのに、買収防衛策を廃止するという選択肢などあり得ません。

 

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