2019年04月02日

政策保有株は取引維持拡大のため???

先ほどの「このニュースに注目」でストラテジックキャピタルによる蝶理の特設サイトに関する記事を掲載しました。特設サイトを見ると、興味深いやり取りをストラテジックキャピタルは書いています。蝶理とストラテジックキャピタルの政策保有株に関する議論のようです。

スト:ワコールホールディングスの株式を時価で10 数億円分保有しており、速やかに売却するべきだ。ワコールは、当社の第4 位の株主でもあり、典型的な持ち合いだ。ワコールの株式を保有している理由は何か。

蝶理:取引の維持拡大のためだ。

スト:ワコール株式を保有していると、何故、取引が拡大・維持できるのか、その因果関係が理解できない。 昨年、私がワコールに直接にお聞きしたところ、かつて海外のファンドに株式を買い集められた際に取引先に安定株主として保有をお願いしたが、現在はもう売却していただいて構わないし、売却したからといって、取引にも関係は無いとも言われた。私は、この情報は昨年の夏に当社に伝えた。何故、まだ売却しないのか。

蝶理:その情報は聞いた覚えはあるが、取引の維持拡大の意味があると取締役会で判断して、保有している。

おもしろいやり取りですねえ。なんで政策保有株の保有理由を「取引の維持拡大のため」なんて言っちゃうんでしょうか?そもそも蝶理には東レという親会社が存在し、東レは蝶理の株式を52.8%保有しています。

皆さん、そろそろ政策保有株の保有理由を「取引の維持・拡大のため」って言わないほうがいいですよ。取引に絡めた目的としたいのであれば「お客さんを接待するのと同じような目的で株式を保有している」でどうですか?取引先の株を持つ理由ってそういうことでしょ?

もしくはそろそろ皆さん「持ち合い!」とはっきり言ってしまいましょう。なんで持ち合いしちゃいけないんですか?持ち合いしちゃいけないって言っているのはどのステークホルダーなんですか?そのステークホルダー以外のステークホルダーは持ち合いしちゃいけないって言ってますか?なんのための持ち合いか、経営者の皆さんはもう一度よく考えるべきです。

持ち合いって悪いことですか?

 

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