2020年01月30日

フォートレスやブラックストーンがユニゾHDへのTOBを成功させるには?

先ほど「このニュースに注目」ユニゾHDはどうなる???で申し上げた通り、現状の条件や株価推移では誰のTOBも成功しない可能性があります。

フォートレスやブラックストーンがユニゾHDへのTOBを成功させるにはどうすればよいのでしょうか?簡単ですね。まずブラックストーンに関しては現在一番高いTOB価格5,600円を提示しています。ブラックストーンはまずはTOBを仕掛けないことには話にならないでしょう。ユニゾHDの合意を条件にしていますが、おそらくユニゾHDはブラックストーンのTOBに合意はしないでしょう。今、従業員とローンスターがTOBをかけているのですから。敵対的と言われようが、まずはTOBをかけないとダメでしょうね。

そしてフォートレスとブラックストーンに共通していることですが、TOB成立の下限を引き下げなくては成功しません。ユニゾHDにはおそらく30%前後の安定株主がいます。TOB成立の要件として66.57%の応募がないと不成立としていますから、ユニゾHDに30%前後の安定株主がいる場合、両社のTOBは成立しません。

たぶんですけど、TOB成立要件の下限を50.1%に引き下げても、成功させるのは難しいかもしれません。佐々木ベジさんがソレキアに敵対的TOBを仕掛けた時、TOB自体への応募はたしか40%くらいだったのではないでしょうか?欲を言えば、下限を取っ払ってしまうくらいの勢いが必要です。

まだまだ日本では敵対的TOBは始まったばかりなのです。安定株主も減ったとはいえまだいます。そのような状況の日本企業に対して敵対的TOBを成功させたいのなら、下限を設定していては成功しません。

一方で、下限を設定しないTOBはある意味強圧的です。40%程度の株式しか保有しないのに、総会における議決権行使率を考えると実質支配されたようなもんですから。30%程度取得された状態であっても、その状態で経営していくのは厳しいと思います。そのような下限を設定しない敵対的TOBが今後増えると思われます。

だからこそ、常日頃から敵対的買収、企業価値向上、企業防衛について議論、検討しておく必要があります。そして情報と時間を確保するための事前警告型買収防衛策を整備いておく必要があります。

 

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