2020年01月31日

東芝機械は本当に普通決議で発動できるのでしょうか?

特別決議じゃなくて大丈夫ですか?という意味ではなく、東芝機械は本当に株主意思確認総会で普通決議を取れるのか?という意味です。東芝機械の株主構成と安定株主比率に関する分析については東芝機械の株主構成をもう一度見ておきましょうをご覧ください。

外部から見た安定株主比率は18.7%程度かと推測されます。たぶんなんだかんだ言って20%くらいの安定株主がいるのかもしれませんね。

そして議決権ベースで見た個人株主比率は26.93%です。野村絢さんの分を引くと24.1%です。東芝機械は安定株主比率が高くないので、個人株主から賛成を獲得しないと普通決議ですら可決させることは難しいのではないでしょうか?ちなみに村上ファンドの保有割合は12.75%で、東芝機械の外国人株主比率は31%程度です(議決権ベース)。仮に外国人株主のうち80%が議決権行使をするとして、全員が対抗措置発動に反対するとしたら24.8%が反対票です。村上ファンドと合わせると37.55%です。

国内の機関投資家がどれくらいいるのかはわかりませんが、たぶん今回は国内の機関投資家も全員対抗措置発動に反対すると思います。

やっぱりこうなってくると、本当に個人株主頼みということになりますね。買収防衛策発動の特別決議を取れたブルドックソースの株主構成とは全く違います。東芝機械はかなり危ない橋を渡っているように思えてなりません。村上ファンドと裁判で争うどころか、本当に株主総会で普通決議を取れない可能性もありますね。

ところで東芝機械の個人株主はどういう属性の株主が多いのでしょうか?やはりOB株主が多いから「対抗措置発動にはOBが全員賛成してくれる!」と読んでいるのでしょうか?だとするとけっこう危ないですよ。個人株主はOBと言えども売りますからね。「株価が高くなってから売っちゃったよ。え?村上ファンドからなんか提案されてたの?知らなかったなあ。あ、でも村上ファンドに売った訳じゃないよ。市場で売っただけだから」としれっと答えると思いますよ。ぺんてるのOB株主がコクヨの買収提案に応じなかったのには理由があります。これに書いています。No.714 コクヨvsぺんてる どっちが勝つか?

でもこんな株主構成でも普通決議なら勝てると東芝機械は考えているんですよねえ。不思議なんですよね。なんで普通決議なら勝てると思っているのでしょうか?実際、東芝機械は平時の買収防衛策継続を断念したんですよね。同じ普通決議の議案で、しかも村上ファンドに買われている状況だったのに。

うーん、わからん・・・。

 

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