2020年03月06日

株価が下がってしまたら対抗策にはならないのでは?

そもそもTOBとは?対象会社の株主に対して「あなたが持っている●●株式会社の株式を時価に●%のプレミアムを付けた価格で当社に売っていただけませんか?」と提案しているのです。

対象会社が敵対的TOBに対抗しようとする場合、当然、●%のプレミアムをつけた価格で売ったら安すぎるなと思ってもらえる策を打ち出さない限り、対抗策にはなりません。前田道路の場合であれば、当然、ホワイトナイトという策くらいしかなかったでしょうし、パックマンディフェンスをする場合においても株主に認めてもらえる代替策とセットではないと対抗策にはなりません。例えば、以下。

No.775 前田道路はパックマンを「主軸」にして対応すればよかったと思います

パックマンだけで対抗しようとすれば、当然、単なる駄々っ子の対抗策ですから。

東芝機械は、これは本当に対抗策なんです。「村上さんたちに会社を支配されたらとんでもないことになるぞ!買収防衛策(っぽい策)を(再)導入して対抗措置発動だーー!」ということです。でもこれに関しては株主総会の決議を取ったうえでやるので、一応、株主意思を確認できます。イヤなら株主が反対すればいいだけですね。否決されたら株価も戻るでしょう。

敵対的TOBを実施されたら、時間がありません。時間がない中で、株主をはじめとしたステークホルダーの利益を確保・向上させるための対抗策を考えなくてはなりません。だから平時からちゃんとステークホルダーのために、敵対的TOB対応について考えておく必要があります。それは決して株主や株価を置き去りにするような対応策であってはなりません。

ちなみに、事前警告型買収防衛策は株主や株価を置き去りにする対応策ではありません。株主らのために時間と情報を確保するためのものですから。

 

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