2020年03月13日

ISSが東芝機械の対抗措置発動議案に賛成推奨する理由は?

なぜ事前警告型買収防衛策に否定的なISSが、買収防衛策どころか対抗措置発動議案に賛成推奨するのでしょうか?

会社側の言い分を支持したということになります。東芝機械サイドの主張は、

・東芝機械が策定した新中期経営計画を遂行したほうが企業価値向上に資する

・村上さんたちはTOBで最大43.82%もの株式を所有する可能性があるにもかかわらず、経営方針が一切示されておらず、村上さんたちの東芝機械の経営への関与の態様が不明瞭なこと

・村上さんたちは東芝機械の企業価値向上を目指しているのではなく、自らのキャッシュ獲得のみに関心があること

・村上さんたちの投資事例を踏まえると、村上さんたちによるTOBや企業価値向上案は企業価値を毀損する可能性が高いこと

・村上さんたちが対話の過程やTOB開始に際しても東芝機械の要請を無視し続けたこと

・外為法に違反している可能性があること

・村上さんたちのTOBは有事に導入されたルールを無視して開始されたこと

・村上さんたちのTOBは強圧性があること

などなどと言ったところでしょうか?再掲しますが、日経が報じたのは以下のとおりです。

米助言会社、東芝機械の買収防衛策議案に賛成

東芝機械が27日の臨時株主総会で諮る買収防衛策の議案について、米議決権行使助言会社インスティテューショナル・シェアホルダー・サービシーズ(ISS)が賛成を推奨していることが分かった。東芝機械に対しては、旧村上ファンド系の投資会社、シティインデックスイレブンス(東京・渋谷)が1月からTOB(株式公開買い付け)を実施している。

東芝機械は新株予約権を他の株主に割り当てる買収防衛策を導入し、対抗する。27日の総会で防衛策の導入と発動の是非を株主に問う予定だ。

一般的に買収防衛策は企業統治の観点から反対する機関投資家が多い。ただISSは個別案件として、村上氏側の上限付きTOBを問題視した。今後は大手の機関投資家の判断に影響を及ぼしそうだ。

ISSは「個別案件として、村上氏側の上限付きTOBを問題視した」のだそうです。つまり、

・東芝機械が新たに策定した新中計を遂行することが企業価値向上につながると思われる

・村上さんたちは最大で約44%までしか買わないけど実質的には経営を支配する

・そうなると新中計の遂行に支障が生じ、中長期的な東芝機械の企業価値向上にならない

・だから有事に緊急導入した買収防衛策における対抗措置を発動して村上さんたちのTOB成立を阻止してよし

ということでしょうか?ISSの推奨内容を読んで訳ではないので、あくまで想像ですが。なんか・・・大丈夫かなあ。ISSってそもそも会社の中計を評価できるほどの人材がいるんでしたっけ?ISSが「こっちのほうが経営するのにふさわしい!企業価値向上につながる!」って言ってつながらなかったケースがあったのではないでしょうか?

・・・・大塚家具。

 

 

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