2020年03月24日

攻めと守りについて

今日の日経6面に日本企業、まだ守るのかという記事があります。記事は大変参考になります。

では、ちょっと話は違いますが、攻めと守りについて考えてみたいと思います。

よくアクティビストは「株価上昇こそが最大の買収防衛策だ」と言います。「株価を上げる戦略を実行し株価を高くしておけば、敵対的買収のターゲットにはならない」と。果たしてこれは本当なのでしょうか?そして株価さえ高めておけば、他の企業防衛策について考えておく必要はないのでしょうか?

株価を高めておけばよいという考え方は少し乱暴です。確かに株価を高めておけばアクティビストといったフィナンシャル・バイヤーは敵対的買収を仕掛けてこないかもしれません。ただ、貴社を狙っているのはフィナンシャルバイヤーだけではありません。ストラテジックバイヤーも貴社に敵対的買収を仕掛けてくる可能性があります。

どちらかというと、怖いのはストラテジックバイヤーです。フィナンシャルバイヤーが敵対的買収を仕掛けてきても、株価を高める施策を公表してしまえば、フィナンシャルバイヤーは満足します。でもストラテジックバイヤーは違います。ストラテジックバイヤーは貴社の財務に関心を持っているのではなく、事業や技術に関心を持っています。そのような買収者に対しては、株価を高めておくだけでは通用しません。

やはり、情報と時間を確保できる事前警告型買収防衛策が必要になってきます。東芝機械は現在、有事導入型の買収防衛策の発動で村上さんたちに対抗しようとしていますが、これが、仕掛けてきたのが村上さんたちではなくストラテジックバイヤーだったとしたら?買収防衛策を発動できるでしょうか?

非常に難しいように思います。そしてすでにTOBを仕掛けられた状態で、買収防衛策を導入し時間と情報を確保しようとしても、なかなか難しいのではないでしょうか?時間くらいは確保できるかもしれませんが。

日本企業はまだ守るのか?

日本企業は何を守りたいのか、ということです。普段から守りたいものを議論し、そしてそれはどうすれば守ることができるのか?常に考えておかなくてはなりません。守り方も含めて、です。

 

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