2020年03月25日

東洋経済の東芝機械に関する記事

東洋経済に以下の記事が掲載されています。

東芝機械vs村上ファンド、大詰め攻防のゆくえ

少し抜粋してコメントします。

優位に進んでいると思っている。当初はわれわれの対抗策に対して買収防衛策の再発動だというイメージをもっていた機関投資家も、足元では賛成の意向を示すことが多くなった。その中で、外国投資家に影響力があるISSが買収防衛策の導入と発動について賛成の推奨を発表した。これは非常にいい追い風になっている。アクティビストや海外投資家を顧客に持つ彼らが(買収防衛策に)イエスというのはよほどのことだ。われわれのアドバイザーも驚いている。

正確には買収防衛策の再発動というイメージを持っているのではなく、廃止した買収防衛策の再導入だというイメージかと思われます。ただ、ISSが賛成推奨したのは私も驚きました。過去の黒田電気の件をもとに考えると、ISSは村上さんのことを評価していると思っていましたし、対抗措置発動議案による賛否ではなくTOBへの応募の結果でどちらを支持するかはわかるはず、という推奨をすると思っていました。

村上グループを除くと筆頭株主となるブラックロックグループ(約5%を保有)も、対抗策や24日に発表した中期経営計画を評価し、われわれに賛成の意向を表明した。スチュワードシップ・コードを持つ機関投資家は賛成を出すのが難しい環境にあるので、先陣をきってブラックロックやISSが賛同を表明してくれたことは非常に大きい。今のところ順調に賛成票が積み上がっていると思う。

ただ、村上グループが12%の株を持っているのは大きい。棄権する投資家もいるし、TOBに参加したいという個人投資家もいる。どんでん返しもありうる。最後まで気を緩めずに、3分の2以上をとって圧倒的に勝ちたい。

ここを読むとやはり疑問を持ってしまいますね。どうして昨年の買収防衛策継続時に今やっている努力をしなかったのか?努力して買収防衛策を継続していれば、村上さんたちに突然敵対的TOBを仕掛けられることはなかったのではないでしょうか?

村上氏にわれわれの事業の内容を説明しても、彼はまったく興味を示さなかった。そんなものはどうでもいいと。

私自身、村上氏には直接2度会っているし、(村上氏の長女の)野村絢さんや(村上氏の関連会社で東芝機械の実質筆頭株主の)オフィスサポートの福島啓修代表にも会っている。彼らの言っていることは、ニューフレアテクノロジー株を売却して得た資金を原資とした自社株買いをやってくれということだけだ。設備投資を圧縮すれば300億円以上のキャッシュが出てくるので、それで自社株買いをやってくれと。その1点しかない。

村上さんが本当に事業に関心を示さず、どうでもいいとおっしゃったのかは私にはわかりませんが、村上さんたちをはじめとしたアクティビスト・ファンドはおっしゃるとおり本業にはさほどの関心はないと思われます。彼らが関心を持つのは、上場会社の事業ではなく財務です。そして財務と株価の乖離に目を付けます。事業内容に関心を持たず、財務にしか関心を持たない投資家を敵視する傾向が多くの会社にあると思うのですが、これはやはりあらためたほうがよいのではないかと思います。上場している以上、いろんな投資家が投資してきます。投資家にいいも悪いもありません。中長期で投資することを目的にしている投資家もいれば、短期で儲けようとする投資家もいます。それぞれには役割があります。いろんな投資家の存在意義を否定してしまうと、上場すること自体を否定することなりかねません。

だが、TOBが成功すれば村上グループが実質50%の議決権を持ち、実質的なオーナーということになる。その彼らが、経営方針を示さず、経営に興味もないというのはつじつまが合わない。説明責任が十分果たされていない。

約44%もの株式を取れば実質的に支配権を取るということは私もそうだと思います。ただ、経営方針って本当に示さないといけないんでしたっけ?「財務戦略は提示する。経営戦略は現経営陣にまかせる」ではダメなんでしたっけ?

例えば、TOBが成功すると(村上氏側は)社外取締役を1人、取締役会に入れるだろう。そして取締役会が紛糾し、会社運営ができなくなる。そこで「300億円で自社株買いをするなら抜けてあげるよ」というのが今までの彼らのやり方だ。過去に同じようなパターンが繰り返されてきた。

うーん、これ言い過ぎでは?確かにそう見えるかもしれませんが「300億円で自社株買いをするなら抜けてあげるよ」とは言っていないのでは?

事業を運営することよりも自社株買いをやり、株価が上がった時点でさっと売り抜くというのが彼らの手法だと思っている。

それは投資家全員がそうでしょう。事業運営を投資家がやりたい訳ではなく、投資家は株式に投資をして儲けるのが仕事です。

もっと怖いのは商売ができなくなることだ。われわれは設備産業をやっており、大手自動車メーカーや大手航空機メーカーが顧客になっている。そういう方々はわれわれの設備を導入してから510年間、その機械で生産する。村上氏がオーナーになれば、会社の信用力は圧倒的に落ちる。村上氏の経営努力の問題ではなく、村上氏が入ってきた時点で確実に企業価値は下がる。

村上さんがオーナーになったら会社の信用力が落ちるってのは、どういう根拠に基づいておっしゃっているのか明確にしたほうがよいのではないでしょうか?

そして、今回の対抗策に妥当性があるかどうか。過去にグリーンメイラー(高値で買い取らせることを目的に株式の買い集めを行う敵対的買収者)的な行為の実績がある、限定的な方々に対して対抗策を導入し発動することへの賛否だ。

「的」とつければOKという話でもないのでは?さすがに言い過ぎなのでは?

だいぶリップサービス的な発言が多いように思いますが、もう勝てると踏んだからここまで強気の発言をするのでしょうか?

もうちょっと詳しく分析した内容はコラムで。

 

 

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