2020年04月06日

キリンHDに関する記事

日経電子版に以下の記事が掲載されていました。

キリンHD、圧勝総会の宿題 発酵をめぐる相乗効果

大方の予想通り、キリンHDに対する株主提案は大差で否決されました。ニコラス・ベネシュ氏だけは割と賛成票を取ったようですが、まあ、キリンHDの圧勝ですね。

記事の中で

「ビールとバイオは、多少なりとも相乗効果があるのでは」「(フィルム写真から素材や医薬に経営の柱を移した)富士フイルムホールディングスのように事業転換に成功した企業はあるのだから、キリンHDにもできる」。新型コロナウイルスの感染が広がる中で東京都内の総会会場を訪れた個人株主からは、会社側を後押しする声が多く聞かれた。

という箇所があります。おっしゃることはよくわかるのですが、キリンHDは事業転換をしようとしているのではなく、ビール事業における発酵技術を核として、事業の幅を広げようとしているのではないかと思われます。そして、そのようなキリンHDの事業展開に対して、今回株主提案をした英フランチャイズ・パートナーズは、

キリンHDは、19年にファンケル株の3割を買い取るなどバイオや健康食品などの多角化戦略を進めており、FPは「地球が平らなことを株主のお金を使って証明しようとしている(くらいおかしい)」と厳しく批判。中核のビール事業に専念するためにこうした事業を売却をして、手にする資金を株主に還元するよう求めていた。

と言っているそうです。そんなにキリンHDのやっていることはおかしいのでしょうか?全然おかしくないでしょ?

そもそも、そのようなことを主張するFPのポートフォリオはどうなっているのでしょうか?キリンHDという株式だけに投資を専念しているのでしょうか?違うでしょ?リスク分散しているでしょ?バイオ株にも投資しているんでしょ?

だからキリンHDに対して「オマエらはビールに集中特化しろ!オレたちはバイオ株を持っているからキリンHDにバイオ事業などやってもらいたくないんだよ!」ということでしょ?

株主の意見に耳を傾けることは重要ですが、所詮、株主は貴社事業の素人です。耳を傾けてもいいけど、本気で聞く必要はないですし、参考程度に聞いておけばよいだけの話です。

 

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