2020年07月29日
買収防衛策を新規導入したプラコーが廃止の株主提案をされました
今年の6月総会で買収防衛策を新規導入したプラコーという会社が、株主から買収防衛策廃止や取締役解任、定款変更等に関する臨時株主総会の開催を請求されてしまいました。
https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200728468340.pdf
臨時株主総会の開催請求をしたのは14.76%の株式を保有する筆頭株主のフクジュコーポレーションという株主です。やっぱりこの株主対策として買収防衛策を新規導入したのですね。
No.850 今年新たに買収防衛策を導入した企業を分析しましょう
6月株主総会における買収防衛策導入議案の賛成率は65.31%です。まあ、臨時株主総会を開催しても廃止されることはないでしょう。
フクジュコーポレーションの主張ですが、かなり違和感があります。抜粋します。
買収防衛策はもっぱら現経営陣による支配権の維持・強化を図ることを目的として導入されたものではありません。あくまで会社を買収する際において、株主をはじめとしたステークホルダーが買収条件等の詳細内容を確認、検討するための情報と時間を確保することが目的です。買収防衛策のプレスをちゃんと読みましたか?
また「買収防衛策が導入されたことで、潜在的な投資者による貴社の買収ないしそれに伴う株式取得の機会が、事実上排除」と書いていますが、排除されません。フクジュコーポレーションという会社がプラコーを買収したいのなら、ルールにのっとって買収提案すればよいだけです。
買収防衛策は規律効果を奪ったりしません。買収防衛策導入企業は、つねに買収防衛策の必要性や企業価値向上について議論しています。
この廃止提案はまったくもってナンセンスです。みなさん、買収防衛策を誤解してはいけません。