2020年08月11日

まずは「様子を見ましょう」ではない

大豊建設が旧村上ファンドに株式を買い増されました。

旧村上ファンドが大豊建設の変更報告書を提出

アドバイザーに相談すると「まあ、まずは様子を見ましょう。すぐに大量に買われる訳ではないですから」と言われることがけっこうあると思います。

間違いです。少なくとも相手が旧村上ファンドの場合、即座に対応策を検討する必要があります。そもそも「様子を見る」とは何なのか?旧村上ファンドの過去の投資歴を見れば、ドンドン買い増してくることは一目瞭然です。

もちろん、島忠のように大量保有報告書を提出されたものの、即売却されたケースもあります。しかし一度狙われた以上、また狙われる可能性がありますし、他のアクティビスト・ファンドがターゲットにしてくる可能性もあります。現に島忠は、旧村上ファンド以外にシルチェスターやオアシスのターゲットになっています。

アクティビスト・ファンドのターゲットになった以上、「様子を見る」などという甘い対応をしていたら、様子を見ている間に痛い目を見ます。「様子を見る」と言ったアドバイザーに「様子を見た後は何をすればいいんだ?」と聞いてみましょう。「それは旧村上ファンドの行動次第で対応は変わってきます」などという寝ぼけたことをアドバイスするようだったら、そのアドバイザーは能力がありません。

真っ先にやることは、買収防衛策導入の準備です。これは外せません。ただ、最近アクティビスト・ファンドに狙われる会社は安定株主比率が低いケースが多いです。そろそろアクティビスト・ファンドも日本企業の株主構成の見方がわかったきたのかもしれません。安定株主比率が低い状態であっても、買収防衛策を導入し、アクティビスト・ファンドを撃退する工夫を凝らす必要があります。

企業防衛に関しては、平時からの準備が本当に大事なのです。常日頃からちゃんと議論して準備しておいた会社が生き残ることができるのです。

 

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