2020年08月28日

大戸屋が反対意見を訂正

コロワイドが敵対的TOBの成立要件を45%から40%に引き下げ、TOB期間を延長したことを踏まえ、大戸屋が意見表明報告書を訂正しました。主な内容は以下のとおりです。

https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS00928/facfdf91/3495/431e/a8c7/8b907f903815/140120200828486849.pdf

・コロワイドのTOBへの応募が買付予定数の下限に達しなかったのは、株主の多くが、コロワイドによる当社の連結子会社化を前提としたTOBには賛同しないという意思を表示したということにほかならず、コロワイドが、買付予定数の下限を引下げ、強引にTOBを成立させた上で当社の臨時株主総会において経営陣の刷新を図ろうとすることは、当社株主の意思を蔑ろにするものである

・当社はオイシックスと業務提携契約を締結。これは、当社が中期経営計画で示したお客様のニーズに応じた商品・店舗・新規チャネル の開発、販促施策の実行の一環として行うものであり、新型コロナウィルスの感染拡大や行動様式の変化も踏まえたお客様のニーズにも合致するもの。当社は、業務提携により、当社の中期経営計画の達成に向けた取り組みを加速し、引き続き、徹底したお客様目線で企業価値向上に取り組む。

・コロワイドは当社の財政状態について憂慮し、協業の成果を当社の事業再建に優先的に配分すると言っているが、当社は金融機関からの借入れ等、当面必要な資金の手当てを行っている。業務提携を推進し全社をあげて業績回復に取り組んでおり、財政状態に問題はない。コロワイドこそ、連結ベースの営業利益の多くが支払利息の支払いに費消されていることや「のれん」の減損損失の計上により財務状態が悪化する可能性が否定できない。

コロワイドはTOB成立の要件を45%から40%に引き下げましたが、これはTOB最終日である8月25日18:15に公表されました。この時点で、コロワイドのTOBにどれくらいの応募があったかはわかっており、おそらく「45%はダメだったけど、40%は集まったね。じゃ、下限を引き下げて期間を延長しようか」と考えたのではないでしょうか?

もう40%(コロワイド持分を含む)の応募は集まっているのではないでしょうか?ということは、大戸屋はすでに応募した株主に応募をキャンセルしてもらう必要があるということです。TOBに応募するのってけっこう面倒ですよ。その面倒な手続きをしてまで応募した株主が、この訂正された反対意見を読んで「じゃあ応募を取りやめよう」と考えるでしょうか?

ちょっと厳しいように思うのですが。。。大戸屋に残された時間は少ないです。大戸屋が起死回生の一発を打つには、あまりに時間がないのです。大戸屋はまずは時間をかせぐ方法を実行する必要があります。その作戦は以下のとおりです。

No.891 大戸屋に足りないのは知恵と時間です

 

 

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