2020年11月13日

さてDCMはどうするのか?

相思相愛だと思っていた島忠に「DCMさんごめんなさい。あなたのことは好きなんだけど、ニトリさんの持参金に両親が飛びついてしまって。本当にごめんなさい。」と言われてしまいました。おそらく島忠は水面下で「DCMさんも持参金をもっと増やしてくれたら私の両親もDCMさんとの結婚を認めてくれるのだけど、どうかしら?」と言ったことでしょう。

でもDCMはおそらく「島忠ちゃん、ごめんよ。持参金を増やすことはできないんだ。僕はニトリ君ほどお金持ちじゃあないんだよ。それに持参金を増やしたところでニトリ君はさらに持参金を上乗せしてくるだろう?もうムリだよ・・・」と。

私は相思相愛なら持参金の額など関係ないと思っています。つまり島忠がDCMと本当に一緒に経営していきたいのなら、TOB価格は大切ではあるけれどもそれだけでは決まらないということです。何度も申し訳ないのですが、以下の方法がありました。

No.936 DCMがニトリに勝つ方法

DCMもこの方法には気づいているのではないでしょうか?なぜ実施しないかというとおそらく、株主に対して説明ができないから、ではないかと思います。株主利益や株主に対する説明責任は大切ですが、はたしてそれほど重視しなければならないのか甚だ疑問です。株主に対して「今」は説明できない、納得してもらえないかもしれないけど、将来必ず「あのときの判断は間違っていなかったね」と株主に言わせればよいだけではないでしょうか?

企業経営において最も大切なことは株主に対する説明責任や株主利益ではなく、経験に基づいた経営者のカンと度胸と根性ではないかと私は思います。一見、間違っているように見えるかもしれない経営判断であっても、経営者が自身の経験や歴史に基づくカンで「今は説明しにくいけど、将来必ずすべてのステークホルダーを納得させる」という判断をするのは間違っていないと思います。

さてDCMのTOB期間は11月16日(月)までです。あっさりと撤退するのか、それとも徹底的に戦うのか?DCMの経営陣にはぜひ後者を選択していただきたいですね。
 

 

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