2021年07月07日

持ち合い株削減広がる?

今日の日経朝刊に以下の記事がありました。

持ち合い株削減広がる 鹿島は300億円目標

少しだけ違和感があるのは、持ち合い株の削減が進んでいるのか、片持ち株の削減が進んでいるのか、よくわからないなあというところです。

たしかに持ち合い株の削減も進んでいるのでしょうけど、本当に安定株主比率を犠牲にしてまでみなさん一生懸命削減しているのか、ちょっと疑問です。

例えばですけど、記事にある鹿島や西松建設は持ち合い株を削減しているのでしょうか?一般論で恐縮ですが、鹿島や西松建設はゼネコンであり、施主の要請に応じて株式を片持ちしていることが多いです。持ち合い株が多いのではなく、片持ち株が多い業種なのです。保有株に比べて安定株主比率が高くありません。だから西松建設は旧村上ファンドのターゲットになりました。

食品や商社も持ち合いが多いと書かれていますが、食品は確かに多いイメージですね。取引先が多いので、持ち合い株も多いという印象です。商社も株式をたくさん持っていますが、商社は持ち合いではなく片持ちという印象です。現に総合商社で安定株主比率が高い先はないはずです。

こういった記事を見ると経営者は「持ち合いを削減しているのか?当社も考えなくてはならんのかなあ」と考えがちですが、記事に取り上げられている会社や業種をよくチェックする必要があります。よく見ると持ち合い株ではなく片持ち株を減らしていたり、そもそもの安定株主比率が高く多少持ち合いを減らしても問題なかったりする企業もあります。

持ち合いは悪なのか?経営者の保身のためにやっているのだとしたら、悪でしょう。しかし私は経営者の保身のために持ち合いをやっている経営者に会ったことがありません。皆さん、会社のためにやっています。

持ち合いを解消すべきかどうかは、自社の置かれている成長ステージによりけりです。はっきり言って、持ち合いを解消したくらいで株価が劇的に上がることは期待できないでしょう。それよりも安定株主比率の低下により、よからぬ株主が寄ってくる可能性の方が高くなります。

持ち合いと買収防衛策については、これから真剣に考え直す必要があります。もう日本は残念ながら敵対的買収時代に突入しました。これからかつての米国市場のようなことになるでしょう。日本の市場は米国の後追いですから、こういった敵対的買収時代は長いこと続くと思われます。そういった時代を乗り切るために、やはり持ち合いと買収防衛策を真剣に考え直さなくてはならないのです。

 

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