2022年03月25日

今日の日経の社説について

今日は無料の記事やコラムをたくさん掲載します。いろいろと思うところがあるので。

まず日経の社説です。上から目線の意見を申し上げるつもりはないのですが、非常によい社説ではないかと思っています。

東芝はステークホルダー(利害関係者)が納得できる戦略の練り直しが急務だ。長期の視点で企業価値を評価する株主との信頼関係の構築も欠かせない。

まさにこれです。東芝の経営陣はアクティビストのことばかり気にしてきたのではないですか?アクティビストは単なる株主であり特別な存在ではありませんよ。強面であろうが過激な主張をしようが、一株主なのです。一株主として平等に取り扱うべきであり、そして株主であろうが一ステークホルダーであり、すべてのステークホルダーと平等に取り扱うべきなのです。これまでの東芝の経営陣の対応は、私には保身にしか見えません。

総会では海外ファンドからの株主提案も否決された。東芝に非公開化などを含めた戦略の検討や報告を促す内容だ。非公開化に伴い高値で株式を売却できるアクティビスト(物言う株主)は賛同したもようだが、多くの株主に支持が広がらなかった。

どれくらいの株主が株主提案に賛同したのか結果を見てみないとわからない面もあるのですが、非公開化を望まない株主だっているでしょう。ちなみに私は東芝株を100株保有していますが、会社の分割案に反対し、株主提案にも反対しました。どちらの案も東芝の中長期的な企業価値向上につながらないと判断したからです。

東芝の迷走は2015年の不正会計から始まった。それ以来、同社は企業統治の改善や事業内容の見直しを進めてきた。

たしかに不正会計を発端であったことは事実ですが、東芝の迷走は正確にはあの時点で上場廃止を選択しなかったことではないかと私は考えています。あの時に上場廃止を選択せず、安易なアクティビストへの第三者割当増資に頼ってしまった。上場廃止を選択すればこのような事態にはなっていなかったでしょう。そもそも今の東芝は上場するに値しない会社であり、ましてや東証1部に復帰するなどもってのほかだったのですよ。なお、社員の皆さんに責任はありません。悪いのは経営陣です。

17年の増資で一気に増えたアクティビストは利益還元だけを重視し、長期的な視点での経営再建の妨げになったと批判される。しかし、それ以外の国内外の資産運用会社など、多くの株主にとっても、東芝の経営は満足すべきものではなかったはずだ。

アクティビストに振り回されたことは事実でしょう。しかしやりようはいくらでもあったのです。アクティビストときちんと向き合い、必要に応じて対決すればよいだけの話です。経営陣が腹をくくれなかったのが悪い。

「株主」といっても考え方は多様である。東芝の場合、アクティビスト株主は全体の2~3割とされる。今の東芝に必要なのは技術力を評価できる株主や、東芝に愛着を持つ個人だ。経営陣がデジタルを軸とする成長戦略を示し、それを長期の視点で支える投資家と意思疎通を深めるべきだ。

おっしゃるとおり株主と言っても多様です。ただ、2~3割も株式をアクティビストに持たれてしまうとかなりしんどいです。なにせ彼らは声がでかい。今の東芝に必要なのは適切に事業を評価できる株主に加えて、株主と対決できる経営者でしょうね。東芝の歴史を紐解けばあきらかです。

東芝の歴史上、いくつかの危機があったと思いますが、それを救ったのは誰でしょうか?石坂泰三や土光敏夫です。彼らは東芝プロパーの方ですか?違います。外部の方です。歴史上、苦境に陥った東芝を救ったのは東芝外の人材です。金融機関出身者ではなく、東芝の事業や技術を理解し、アクティビストと対決できる人材に来ていただいたほうがよいです。

 

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