2022年04月19日

東洋建設の株を買っているWK1Limitedが対話を申し出

昨日4月18日18:18に公表されたようです。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000071768.html

任天堂創業家一族である山内家を背景に持つファミリーオフィス、Yamauchi-No.10 Family Office(以下、「当社」といいます。)は、永続的な社会への貢献を目指し、フィランソロピー事業、インキュベーション事業と同時に、投資事業を営んでおり、そうした投資事業の一環として、上場企業への長期的な投資を行っております。
この度、複数の報道機関により、当社の投資会社WK 1 Limited、WK 2 Limited、WK 3 Limitedの3社が東洋建設株式会社(以下、「東洋建設」といいます。)の株式を取得・保有している旨報道がありましたが、100%当社資金により運用されている同投資会社3社より、本日4月15日現在、純投資として同社株式の25.30%を保有している旨の報告を受けております。

やはりYFOが東洋建設の株を買っていたということですね。現在提出されている変更報告書だと、4月18日に提出されたもので保有割合は22.27%となっています。義務発生日は4月11日なので、YFOが言っているとおりだとすると、4月12日~15日でさらに買い増し、保有割合が25.30%まで上昇したということになります。

また、当社は、短期的な利益にとらわれることなく長期的視点に立脚した投資が可能なファミリーオフィスとして、投資対象の企業の長期的な企業価値向上に向けて経営陣の方々と建設的な対話を行っていく投資スタンスであり、今般、東洋建設の経営陣の皆様とも友好的な関係を築いていくことを前提として建設的な対話を進めたく考えている旨の書簡を東洋建設の取締役会に宛てて4月15日午後に送付差し上げております。
同時に、同書簡においては、現在実施されているインフロニア・ホールディングス株式会社(以下、「インフロニアHD」といいます。)による東洋建設の完全子会社化を前提とする公開買付けについて、東洋建設自身の長期的な企業価値向上にとって多くの懸念点が存在するという旨も当社の意見として併せて指摘をさせていただいております。
当社は、今後、責任ある株主として、東洋建設の経営陣の皆様との対話を実施してまいりたいと考えております。

今日の日経では以下のように記載されています。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC180JP0Y2A410C2000000/

日経の記事を見ると以下のようなことが書かれています。

・前田建設工業を傘下に持つインフロニア・ホールディングスが進める完全子会社化について「中長期的な企業価値の向上に資するか危惧している」とし、再検討して独立しての経営や新たなパートナー探しを求めている。

・インフロニアによる買収について、明確な相乗効果が見当たらないと疑問を呈した。請負事業を伸ばそうとしている東洋建と、脱請負を進めるインフロニアの経営方針は「逆の方向を向いている」と懸念を示した。

・770円のTOB価格についても東洋建の洋上風力関連事業および海外事業展開の成長を全く織り込んでいないと指摘している。

上2つを見ると、インフロニアとの間で相乗効果が認められないとしており、そもそも東洋建設がインフロニアの傘下に入ること自体を否定しているように見えます。一方でTOB価格が安いという主張もしています。これについては明日のコラムでまとめます。

なお、少なくとも今の状況ではTOBの成立はほぼないと思われますし、YFOの狙いが何なのかを見極める必要があります。

 

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