2023年01月04日

安定株主比率ってどうやって出してるの?

以下ツイッターで簡単にまとめましたが、外部から見た安定株主比率は以下のように計算しています。

https://twitter.com/IB57185560/status/1610588328226848768

有価証券報告書の「所有者別状況」にある「その他の法人」の保有割合に、「大株主の状況」に登場する銀行、生損保、信託銀行(運用目的ではないもの)、退職給付信託、従業員持株会、取引先持株会、創業家などの個人の保有割合を加えたものです。

では最近株主提案をされた象印で計算してみましょう。

その他の法人20.9%+市川典男氏12.41%+象印共栄持株会3.27%+三菱UFJ信託銀行2.30%+市川尚孝氏1.94%=40.82%です。

なおこの数値ですが、上位大株主の数値は議決権ベースなのですが、所有者別状況の「その他の法人」は発行済株式総数に対する割合です。自己株式をたくさん持っている場合は、総議決権を用いた議決権ベースで計算したほうがよいです。ちなみに象印の安定株主を議決権ベースで計算すると、

(その他の法人151,658個+市川典男氏83,950個+象印共栄持株会22,090個+三菱UFJ信託銀行15,520個+市川尚孝氏13,090個=286,308個)÷総議決権673,585個=42.51%です。

よく「大株主の市川国際奨学財団やリバーシティー株式会社、宝英商事株式会社も安定株主じゃないの?合算しないの?」とご質問をいただくのですが、これらの法人株主は「その他の法人」に入っているので、合算すると二重計上になってしまいます。

象印では出てきませんが、メガバンクや生保・損保といった取引金融機関、従業員持株会も安定株主ですし、●●信託銀行退職給付信託●●口」といった退給信も安定株主としてカウントします。

個人の株主は安定なのかどうかわからないときがありますが、役員の状況を見たり、会社の沿革を見たりして確認します。それでもわからないときはありますが、そのときはネット検索やEDINET検索をしてみて他の会社の大株主にも登場していれば「個人投資家だな」と判断します(時間がないときはそこまでせず、非安定としますが)。

だいたいこんな感じで計算します。

 

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