2023年02月07日

日証金への株主提案は否決 これからのアクティビスト対策は?

村上ファンド創業メンバーの一人である丸木さんのストラテジックキャピタルが日本証券金融に株主提案をしていましたが、本日、臨時株主総会が開催されました。以下のとおり、全議案、否決です。賛成率などは今のところわかりません。

https://www.jsf.co.jp/media/PressReleaseJ_230207.pdf

以前、以下のコラムをまとめましたが、今回の株主提案は否決されると見ておりました。

No.1431 ストラテジックキャピタルは日証金への株主提案が可決されようが否決されようがどうでもいいはず

日証金の株を約21%保有するシンフォニーが株主提案に賛成しないだろうと考えたためです。シンフォニーは株主提案に賛成するより、日証金に対して「株主提案に賛成してほしくなければ、ちゃんと株価を上げる施策をやってね」といったほうが得策でしょうから。

それにストラテジックキャピタルの丸木さんも同じように考えていたのではないでしょうか?「株主提案が可決できるかどうかはどうでもよし。株主提案をすれば日証金はシンフォニーに賛成しないでくれとお願いするだろうし、シンフォニーは日証金に、賛成してほしくなければちゃんと株価を上げろと言うだろう」と考えていたのではないでしょうか?

ストラテジックキャピタルの目的はこれから達成されるという意味では、ストラテジックキャピタルの勝ちと言えます。本当に丸木さんが以上のような考え方で株主提案をしたのかはわかりませんが、これから先のアクティビスト対策は複雑化すると思います。単に「ああ~、大量に株を買われてしまった!有事型買収防衛策導入!自己株TOBじゃー!」という短絡的な対応では済まなくなるでしょう。

私が考えるこれからのアクティビスト対策の基本観ですが「アクティビストと戦わないこと。戦っても疲弊するだけ損。株価が安かったのは事実なのだから、ある程度アクティビストの主張を受け入れて、戦争にならないようにすること、戦争になったとしても短期で終わらせること」です。

いずれ詳しくまとめる予定ですが、アクティビストと戦うこと自体、会社にとっては無益です。社長の時間を浪費します。そのようなことをしないような戦略をたてる必要があります。

 

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