2024年06月28日

日経ビジネスさんに当方のコメントが掲載されました

以下の日経ビジネスさんの記事に当方のコメントが掲載されました。

ローランドDG買収を断念 覚悟の甘さを露呈、ブラザーの3つの教訓

https://business.nikkei.com/atcl/NBD/19/special/01826/

一般論としてシナジー効果を加味できるストラテジックバイヤーであるブラザーのほうが上の価格をさせるのですが、ただ「仕入れ値」の観点からはタイヨウにも十分対抗できる余地はありました。非常に難しい戦いだったと思います。

一方、MBOなんですから価格の引き上げ合戦になるのは本来おかしいはずです。そのあたりはブラザーが「MBOなのにどうして最初に提示したTOB価格を引き上げるのか?株主に提示した最初のTOB価格はなんだったのか?株主から安い価格で搾取しようとしていたのか?」という指摘をすればよかったし、ネガティブキャンペーンにも十分できたはずです。

ブラザーはあまりにもあっさりしすぎていたのではないか?と思わざるを得ません。インタビュー時に私も申し上げましたが、ディスシナジーがあるかないかはわからないものの、ローランドDGは「ある」と言っているのですから、少なくともブラザーはその不安を解消してあげる必要がありましたし、そして「ディスシナジーが発生して一番困るのは貴社を買収した当社です。そういうことが起きないようディスシナジー解消委員会を作って対応しましょう」と言えばよかっただけです。

以下の特別コラムでまとめたとおりです。

https://ib-consulting.jp/column/5149/

経済産業省の企業買収における行動指針が制定され「同意なき買収」に呼称が変わったとしても、乗っ取りであり敵対的買収なんです。この記事の最後で述べた通り「買収に気乗りしない相手を、いかに「受け入れざるを得ない状況」に持ち込むか──。「敵対的買収」の時代から、変わらない本質だ。緻密な戦略と、やり切る覚悟なしには、同意なき買収の成功はない。」ということです。記事にあるブラザー副社長の発言を読む限り「あまりにも事前準備がずさん」としか言えないですね。かなり敵対的TOBを甘く見すぎじゃないですか?ローランドDGに対してもかなり失礼なんですよ。

敵対的買収を成功させるための秘訣は?気合と根性と覚悟をもってやること。そして最後まであきらめないこと。これ、企業防衛サイドにも言えることです。最近のケースを見ていると、実に気合と根性と覚悟のない事例が多いことか。

最後に一言。ローランドDGさんはいつか再上場するんでしょうか?それをブラザーは虎視眈々と待ち構えているかもしれませんね。いや、ブラザー以外の買収者が登場するかもしれません。そもそも何のためのMBOなのでしょうか???東芝さんにも言えることですが。

 

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