2019年08月02日

皆さん忘れているであろう日邦産業

佐々木ベジさん率いるフリージア・マクロスに株式を取得され、一度廃止した買収防衛策を再導入した日邦産業です。少しおさらいします。

フリージア・マクロスは2月14日から日邦産業の株を買い始め、保有割合が11%を超えた後に日邦産業が買収防衛策の再導入を公表しました。買収防衛策再導入公表後もフリージア・マクロスは日邦産業株を買い進めましたが、19.68%になった時点で買い増しをやめました。買収防衛策のトリガーである20%に引っかからないようにしたためでしょう。

このケースから言えることは、やっぱり買収防衛策には一定の効果があるということです。いくらソレキアに対する敵対的TOBを成功させた佐々木ベジさんと言えども、買収防衛策はやっかいなのです。時間を確保する効果はあるのです。

一方、買収防衛策の再導入議案に対する賛成率は66.46%でした。ちなみにフリージア・マクロスは3月末時点で9.45%しか保有していませんでしたから、仮に直近の保有割合である19.68%であったら再導入議案は否決されていた可能性もあります。

さて、佐々木ベジさんはこれからどうするでしょうか?おそらく、臨時株主総会の開催請求および買収防衛策廃止の株主提案をしてくると思われます。私ならそうします。タイミングですが、臨時株主総会の開催請求権は、総株主の議決権の100分の3以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主の権利です。そして株主提案権は、総株主の議決権の100分の1以上、または300個以上の議決権を6か月前から引き続き有する株主の権利です。

フリージア・マクロスは3月25日時点で大量保有報告書を提出していますから、まあ、10月1日なれば両方の権利を有することになるでしょう。10月1日以降にフリージア・マクロスは臨時株主総会の開催請求、買収防衛策廃止の株主提案をしてくると思います。あと2か月です。

日邦産業はどう対処すればよいでしょうか?株主の権利行使に関しては対抗できないでしょうから、買収防衛策廃止の株主提案をしてくる場合に備えた対処をしておく必要があります。何があるでしょうか?

買収防衛策廃止の株主提案は否決されるとしても僅差であろうと思われます。どちらが勝つかはわかりません。そういう状態であればやるべきことは一つですね。

はい、持ち合いです。片持ちしてもらうのが望ましいですが。では逆に佐々木ベジさんらが勝つにはどうすればよいでしょうか?はい、内緒です。詳しくはNo.620 今後の日邦産業について No.550 意外と簡単な買収防衛策の攻略方法をご覧ください。

 

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