2019年12月04日

物言う株主 指摘前に対策を

今日の日経9面に物言う株主対策「指摘前に備えを」 米ゴールドマン責任者 メロートラ氏「日本市場は魅力的」という記事があります。ゴールドマンサックスにはアクティビスト対策助言部門というのがあるんですね。これも大事なことです。ゴールドマンサックスは「アクティビスト対策はビジネスになる」と考えているということです。記事にもありますが、アクティビストのターゲットが米国企業から日本企業になりつつあります。

だからゴールドマンは日本でのアクティビスト対策業務に力を入れるのでしょう。

なお「ゴールドマンはここ5年で世界のアクティビスト対策案件の75%を手掛けた。日本でも最多の案件に関わっている。企業経営者は普段から投資家と話し、何を望んでいるのかをつかむことだ。ビジネスも投資家も変わり続ける。6~9カ月前の会話の前提はすぐに変わる。アクティビストが指摘する前に、批判されそうな点を認識しそれに応える準備が要る。これは日欧米どの地域の経営者に対しても言える」とあります。

アクティビスト対策でもっとも重要なことはなんでしょうか?批判されそうな点を認識してそれに応える準備をすることではありません。アクティビスト対策でもっとも効果的なことは、当然、安定株主対策です。これさえやっておけば、アクティビストなど恐れる必要はありません。

ただし、現在の日本では持ち合いで安定株主対策をすることは非常に難しくなっています。アクティビスト対策の基本は安定株主対策だけれども、現実的に難しい状況において何をやっておくかに知恵を絞る必要があるのです。指摘されそうなことを前もってやっておきましょう~では何のアドバイスにもなりません。安定株主対策や買収防衛策の導入を含め、知恵を絞った戦略を練ることが重要なのです。

「うちの株主構成だと買収防衛策は導入しにくい」 導入できない株主構成などありません。買収防衛策の導入方法を工夫すればよいだけです。また、既存のいわゆる事前警告型買収防衛策のスキームに縛られる必要はありません。これまでにない形の買収防衛策を導入すればよいだけなのです。

企業防衛の基本は「知恵と工夫」です。あと、想像力と妄想力かな。

 

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