2020年04月07日
いい会社の定義を考えれば、今回のキリンHDの決断は正しいのでは?
株式市場から見たいい会社とは、高収益体質で、ROEも高く、株価も高い会社、ということになるでしょうか。フランチャイズ・パートナーズはキリンHDに対して、医薬品や健康食品などの事業をやめてビール事業に集中特化しろと主張していました。
たしかにそうしたほうが、株式市場から評価され株価も高くなるかもしれません。株式市場的ないい会社になることができます。しかし、本当にそうすることが株主以外のステークホルダーにとってのいい会社になるのでしょうか?
ならないですね。ビールと医薬品、食品事業の相乗効果を示そうが、示すまいが、キリンHDは多角化を推し進めたほうがよいのでしょう。ビール1本足打法で末永く会社を生き残らせていくことは非常に難しいのではないかと思われます。若者のビール離れが進んでいるそうですし、私自身も普段はビールを飲みません。関係ないですけど。
特定の事業のみに集中特化した経営など恐ろしくてやってられないのではないでしょうか?従業員も不安でしょう。従業員や取引先、地域社会といったステークホルダーがキリンHDに望むのは、株主だけにとってのいい会社になることではないと考えられます。さまざまな事業を展開し、あらゆるステークホルダーの期待に応える会社こそ、いい会社ではないでしょうか?