2020年04月15日

コロワイド「両社創業家を役員に」、大戸屋への要求判明

日経ビジネスに以下の記事が掲載されています。

コロワイド「両社創業家を役員に」、大戸屋への要求判明

気になるところがあるので、ちょっと抜粋します。

株主提案では取締役候補者12人の選任を求めている。窪田健一社長を含む大戸屋HD側の5人(社内2人、社外3人)の取締役の続投を認めながらも、7人はコロワイド側が指名する形だ。コロワイド側は、創業者・蔵人金男会長の長男である蔵人賢樹氏を窪田氏に代わる大戸屋HDの新社長の候補者とする意向だ。

非業務執行取締役を含む社外取締役の候補者には、大戸屋の実質的な創業者である故・三森久実氏の長男で、かつて大戸屋HDの常務も務めた三森智仁氏の名前もあるようだ。株主提案が可決された場合は、コロワイドと大戸屋HDの双方の創業家が取締役に名を連ねることになる。

株主の皆さんは三森智仁氏の経歴をちゃんとご覧になったほうがよいと思います。以下のとおりです。これをご覧になって、株主の皆さんがどう思うでしょうか?

以前、窪田社長に「僕が正当な事業の継承者だ」と主張し、窪田社長に「そんなこと言ってたら、お前には無理だぞ」とたしなめられた方ですね。以下の「お骨事件」に書いてあります。

お家騒動の大戸屋HD「お骨事件」とは…創業者未亡人と社長が社内で対峙 テレビドラマもびっくりの修羅場だった

もちろん優秀な経営者であれば、年齢は関係ないでしょう。ただ、学校を卒業し入社した三菱UFJ信託銀行を2年後に退社し、大戸屋に入社、そして入社1年後には執行役員、その10か月後には常務取締役・・・。こんなとんとん拍子、いや猛スピードで出世する人を、私は一般的な上場会社で見たことがありません。

一方、コロワイド側の言い分は異なっている。同社関係者によると、両社は昨年から業務提携やM&Aを見据えた交渉を繰り返してきたが、「(大戸屋HD側は)こちらの提案に面談の当初から明確な拒否の姿勢を示していた」という。「『入り口』の段階で拒否しておきながら『具体的な提案がない』と主張するのもおかしな話だ」といい、双方の言い分はかみ合わない。

「入口の段階で拒否しておきながら」とコロワイド側はおっしゃっていますが、そもそもコロワイドさんは大戸屋の扉をちゃんとノックして開けたのでしょうか?違いますよね?突然、大戸屋の経営陣には事前相談なく、創業家とやらから買い取り、「オレたちは19%を持つ株主だ!業務提携しろー!M&Aしろー!」って交渉したんでしょ?そりゃ、玄関の入り方を間違ったんですから、大戸屋がまともに相手をしないのは当たり前です。

ちゃんと相手にしてほしいのなら、大戸屋の経営陣に事前に相談したうえで創業家とやらから買い取るか、もしくはまともな値段で創業家を含む全株主からTOBで買い取ればよかったのでは?

中途半端な19%の株式を取得して「交渉の席につけー!」と言っても、大戸屋経営陣はまともに相手をしないでしょうし、それどころか「脅されている」という気持ちになるでしょうね。

コロワイドの野尻公平社長は「創業家から株を買うときに日本一の定食屋にすると約束した。敵対的になってでも買収するのは約束があるからだ」と周囲に漏らしているという。三森氏を自陣営に引き込むことで、創業家の意向を大義として掲げたい意向が透ける。野尻氏は大戸屋HDを子会社化する考えで、経営陣を刷新する株主提案が通らなければ敵対的TOB(株式公開買い付け)も辞さない構えをみせる。

ずーっと気になってるんですけどね・・・創業家ってなんすか???創業者ならわかりますけど・・・。創業者の奥様とお子様は、現在の大戸屋の経営陣や従業員と何の関係があるのでしょうか?なんの関係もない創業とやらとの約束を持ち出されても、大戸屋の経営陣や従業員も困るでしょ?

大戸屋経営陣が勝つために何をすべきか?この勝負、一見、コロワイドがもう19%の株式を握っているから有利に見えますが、実は大戸屋が勝てます。大戸屋の戦い方次第では、コロワイドが創業家とやらを持ち出したのが失敗につながる可能性があります。

とりあえず大戸屋は第1ステージである株主提案に勝たなくてはなりません。勝ち方は以下のとおりです。

No.810 大戸屋はまずこうすることが勝利への第一歩!

そして株主提案に見事勝利した場合、次には敵対的TOBが待っている可能性があります。第2ステージの戦い方は?

今週か来週はじめのコラムで!!

 

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