2020年06月10日

買収防衛策は株価の足かせになっているのでしょうか?

本日の日経18面に買収防衛、株価に足かせ 収益改善の意欲問われるという記事があります。買収防衛策を廃止したセイノーHDと継続した福山通運の株価に関して以下のとおり言及しています。

例えば5月に防衛策の3年間の延長を決定した福山通運の株価は3月19日比で5%の上昇で、日経平均のみならず同業のセイノーホールディングス(34%上昇)にも大きく劣後する。実はセイノーHDは福山通運とは反対に買収防衛策の廃止を決定した銘柄だ。

ではセイノーHDと福山通運の株価を見てみましょう。最近3か月です。3月19日比ではありませんが、おおむね近い時期だと思います。赤9075が福山通運、青9076がセイノーHDです。

福山通運の株価は3月19日比で5%の上昇となっていますが、5月13日までで見てみると、30%近い上昇となっています。5月13日までは福山通運のほうがセイノーHDよりも株価の上昇率は上です。5月14日の株価の下落が大きいのです。

5月13日にセイノーHDは買収防衛策を廃止し、福山通運は継続を公表しましたが、本当に買収防衛策の廃止と継続が両社の株価を分けたのでしょうか?違うでしょ?

5月13日に両社が発表したのは買収防衛策に関することだけではありません。決算発表もしています。そしてセイノーHDは自社株買いも公表しました。2,000万株、発行済の9.96%(上限200億円)です。両社の株価の明暗を分けたのは自社株買いであって、買収防衛策ではありませんね。

ではもう少し比較会社を増やしてみましょう。黄色9070トナミHD、緑9069センコーグループHDを加えました。

一番株価が上昇しているのは黄色9070トナミHDですね。ちなみにトナミHDは今年6月1日に買収防衛策の継続を公表しています(笑)

センコーグループHDは買収防衛策を導入していませんが、継続した福山通運やトナミHDよりも株価の上昇率は低いですね・・・。

買収防衛策は株価の足かせになるのか?答えは「なりません」です。

 

 

 

 

 

 

 

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