2020年07月14日

平時の防衛体制をきちんと考える~怖いのは株主提案ではなく敵対的TOBです~

6月総会企業に対する株主提案をまとめていましたが、お家騒動的なものを除けば、株主提案が可決された企業はありませんでしたね。

これまで株主提案が可決されたのは、まともなケースだけ見ると、LIXILくらいではないでしょうか?そもそも貴社に対して株主提案が実施されたとして、可決されると思いますか?

どれだけ安定株主比率が低くても、株主提案が可決されるのはものすごく難しいと思いますよ。コロワイドがすでに19%持っている大戸屋ですら、株主提案は可決されませんでした。

しかし大戸屋は現在、戦々恐々としているでしょう。株主提案は否決できたものの、敵対的TOBとなると話は違うからです。株主提案は過半数を取らないと勝ちではありませんが、敵対的TOBは過半数を取らなくても勝ちだからです。

皆さんの会社に突如として35%の株式を保有するファンドや事業会社が登場したらどうでしょうか?その人たちを無視して、気にせず経営することができるでしょうか?できません。拒否権取られてますからね。株主総会前には必ず議案をお伺いしに行くでしょう。

過半数を取られてはいないけど、38%もの株式を取られた川崎汽船はエフィッシモから取締役を受け入れました。ほかにもそういう会社がありますね。

怖いのは敵対的TOBです。敵対的TOBに対してどういう企業防衛体制を整えておくか?こういうことを普段から議論しておく必要がある時代です。

 

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