2020年07月14日
敵対的TOBを仕掛けられたらどうしよう
これまで敵対的TOBを仕掛けられた会社の多くが、自社に対して敵対的TOBが仕掛けられるなんて想像もしておらず、何の準備もしていなかったと思われます。
だから敵対的TOBを仕掛けられたのです。敵対的TOBは仕掛けられたら、ほぼ終わりです。まれに助かるケースもありますが、買収者が「絶対に買う!」と信念をもって仕掛けたら、太刀打ちできません。
「敵対的TOBを仕掛けられたらどうしようか?」と考えてもダメなのです。正しくは「敵対的TOBを仕掛けられないようにどうしておこうか?」なのです。
株主還元を強化する、株価を上げる、過度な内部留保を積み上げない・・・持ち合いをしておく、とかです。もちろん、これさえやっておけば敵対的TOBを仕掛けられることはない、という施策はありません。
重要なことは、敵対的TOBとは何なのか、企業防衛とは何なのか、を常日頃から議論しておくことなのです。議論しておけば、平時にやっておくべきことが考えつきますし、いざ有事になった時でもやるべきことを冷静に実行できます。腹をくくることができるのです。
最近敵対的TOBを仕掛けられた会社の多くは、腹をくくって対応しているようには見えませんでした。唯一、最近では東芝機械くらいじゃないでしょうか?もちろん、平時の買収防衛策を継続しておけばよかったのにという論点はありますが。
有事にならないように平時から企業価値向上策を実行できるか?株価を上げておけるか?いざ有事になったときに腹を括れるか?すべて平時からの企業防衛の議論にかかっています。普段から勉強し練習していなければ、本番でうまく対処できるはずがありませんから。