2020年10月07日

「大戸屋」買収はなぜ成功したのか?~6ヵ月の独自追跡!~:ガイアの夜明け~感想その①~

ガイアの夜明けを見ました。以下、私の感想です。

まず驚いたのが、大戸屋の窪田社長がこんなに密着取材を受けていたということです。6か月の独自取材ということですから、4月頃からガイヤの夜明けは大戸屋を密着取材していたことになります。おそらく株主提案がなされたころからでしょう。

よくそんな取材を受ける余裕がありましたねえ・・・。まわりの社員やアドバイザーは止めなかったのでしょうか?かつて株主提案や敵対的TOBを実施された会社の経営者からこんなことを何度も聞きました。

「本当に本業に専念できなくなる。あんなことは二度とごめんだ」です。株主提案や敵対的TOBを実施されると、社長が本業に専念できなくなります。そりゃそうです。会社の命運がかかっているのですから、本業はとりあえずおいておき、株主提案・敵対的TOB対応に忙殺されます。夜中に社長やCFO、アドアイザーとのMTGがセットされることもあります。バンバンメールも飛んできます。それもいちいちすべて確認しなければなりません。

また、株主提案・敵対的TOB対応においては、インサイダー情報も発生します。おもわず社長が記者にポロっとしゃべってしまうリスクもありますから、余計な取材は受けないようにします。ましてやこんな長期間にわたる密着取材など普通の会社は絶対に受けませんし、アドバイザーが体を張って止めます。

一方でコロワイドはしっかりしていますね。番組では「私たちは今回、コロワイドと交渉を重ねましたが、いまは取材を受けることはできないと応じてもらえませんでした。」と報じていました。まあ、当たり前ですね。

ガイアの夜明けを見て思ったのは、「大戸屋はこんなことをやっていたから負けたのではないか?」ということです。もちろん、最初っから約20%も株式を握られてしまったので、ホワイトナイトがいない限りは負ける可能性が非常に高かったのですが、それにしても「取材を受けるほどの時間があるのなら、その時間を使ってホワイトナイト探しを真剣にやればよかったのではないか?」と思ってしまいます。

他にもいろいろと思うことがあるので、のちほどまた感想を書きます。

 

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