2020年12月21日

「お値段以上になれる」 島忠買収、ニトリの勝算

本日の日経に以下の記事が掲載されています。

「お値段以上になれる」 島忠買収、ニトリの勝算

私が気になっているのは以下です。

その半年前の5月。島忠社長の岡野恭明をホームセンター業界2位のDCMホールディングス社長、石黒靖規が訪れていた。よく食事を共にしていた岡野と石黒は、業界トップを目指すことで意気投合。DCMの島忠買収へ交渉を進めていた。

島忠の岡野社長はDCMの石黒社長とよく食事をされていたそうです。信頼関係を構築したうえでのDCMによる島忠買収だったのでしょう。

しかし今回島忠はDCMの提案を断り、敵対的TOBであったニトリの提案に賛同表明をしました。日経の記事には以下のように書いてあります。

島忠の特別委員会は11月4日と9日に、経営方針や相乗効果についてニトリと協議。同時にDCMに価格引き上げの意思を確認した。1日と5日にニトリと面談した岡野は、敵対し続けたら地位や雇用が危うくなるのではと、成立を見据えた条件闘争に切り替えた。

本当に大丈夫なのか私は疑問です。島忠の岡野社長はDCMの石黒社長と何度も会ったことがあるのでしょう。信頼関係を構築したから「いっしょにやっていきましょう」と意気投合したのでしょう。ニトリの提案後、島忠の岡野社長はニトリと2度面談したそうです。たった2度?

経営統合において一番大事なのは相互の信頼関係ではないかと私は考えます。信頼関係を構築する十分な時間と情報を島忠が得た上での今回の判断なのであれば問題ありません。しかし十分な時間と情報が本当にあったのかは疑問です。

いずれ本件についてはまとめます。

 

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