2021年03月18日

日本アジアグループが導入した有事導入型の買収防衛策は「お友達防衛策!」

以下のとおり、旧村上ファンドがまた日本アジアグループに対してTOBを実施すると公表しました。前回のTOB価格は1,210円でしたが、特別配当が可決される可能性を踏まえ、910円にする方向のようです(否決されたら引き上げるようです)。TOB成立の上限・下限は以前と同じように付けていません。

また、旧村上ファンドは以下記載しています。

本公開買付けは、後記<本公開買付前提条件>が充足された場合に開始するものとし、当社は、本日現在、2021年 4月上旬を目途に本公開買付けを開始することを目指しております。また、記載の条件等は、今後、事情の変更等によって変更となる場合があります。当社は、公開買付開始前に市場又は市場外で対象者株式を買い付ける可能性がありますが、それによって本公開買付けの開始前に当社と特別関係者と合わせて対象者に対する議決権割合が3分の1を超えないようにするものとします。

これ、旧村上ファンドはTOBを4月上旬に開始することを目指しているわけですが、TOB開始前に日本アジアグループ株を買い増す可能性があると言っています。日本アジアグループが有事導入型の買収防衛策を公表したのが3月9日で、旧村上ファンドは前回のTOBを撤回した後、市場で日本アジアグループ株を買い増し、保有割合は22.53%になっています。

https://ib-consulting.jp/newspaper/3340/

買収防衛策を公表したのが3月9日で、TOBを撤回したのが3月3日です。3月4日(木)、5日(金)、8日(月)、9日(火)と株を買っています。日本アジアグループは20.5%以上の株式を取得する場合はルールに従えと言っている訳で、TOB撤回から買収防衛策公表までに株式を取得したのは仕方がないにしても、10日(水)以降も買っていたら「ルール違反」として発動するのでしょうか?

また、上記のとおり旧村上ファンドは4月のTOB開始までに追加取得する可能性について言及していますが、これをやったら買収防衛策のルール違反にならないのでしょうか?

余談ですが、旧村上ファンドは以下のとおり日本アジアグループの有事導入型の買収防衛策を批判しています。

なお、本買収防衛策の導入の取締役会決議は、まず、田辺取締役と八杉取締役の2名で決議したとのことですが、田辺取締役は、山下氏と丸亀高等学校の同期生であり、同校の東京同窓会において山下氏が会⾧、田辺取締役が副会⾧という関係にあり、また、八杉取締役は、山下氏が野村證券に在籍していた当時の山下氏の上司でした。つまり、本買収防衛策は、山下氏の「お友達」が決めた「お友達防衛策」といわれても仕方がないものといえます。

お友達防衛策ってのは初めて聞きました。

ちょっとまだ日本アジアグループの有事導入型の買収防衛策が、旧村上ファンドが買収防衛策公表後に株式を買い増した場合にどう機能するのかよくわからないのですが、取り急ぎ。

 

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