2021年03月23日

なぜ日本企業は買収防衛策を導入するのか?

さっきのニュースにも書きましたが、日本企業の買収防衛策のターゲットは機関投資家の皆さんやまっとうな国内外の事業会社ではありませんよ。

https://ib-consulting.jp/newspaper/3357/

アシックスが「ニューバーガー・バーマンに敵対的TOBを仕掛けられるかもしれないから買収防衛策は必要だ!」と考えているわけではありません。アシックスさんに聞いたわけではないので、もしかしたら「いやそうなんです」かもしれませんが、まず違うでしょう。

買収防衛策を導入している日本企業は、ニューバーガー・バーマンさんやフィデリティさん、アライアンスバーンスタインさん、キャピタルリサーチさん・・・といった名だたる機関投資家に敵対的TOBを仕掛けられるリスクを考えて買収防衛策を導入しているわけではありません。

日本企業の買収防衛策のターゲットは誰なのか?それは、

・目的もよくわからず20%、30%といった実質的に経営権をス得するレベルの株式を取得し、最終的に多額の借金を負わせて会社に株式を買取らせようとする投資家

・同様のレベルの株式を取得し実質的に会社乗っ取ろうとする事業内容や人物像が定かではなく、自社とのシナジーなど到底考えられないような得体のしれない事業会社

がターゲットです。皆さんはこういった得体のしれない投資家や事業会社がTOBを仕掛けたら、当該株式をこういった得体のしれない人たちに売却するのでしょうか?TOBって相対取引ですよね?こういった得体のしれない相手であっても皆さんは相対で取引をするのでしょうか?

どうかと思いますよ・・・。機関投資家こそ、金が儲かるからと言って、こういった人たちと取引をするのはよくないのではないでしょうか?本当に皆さんが取引をしてよい相手なのかどうか、買収防衛策を使ってちゃんと確認し検討すべきです。

株主にとってこそ買収防衛策と呼ばれている事前警告型ルールが必要なのです。

 

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