2021年09月17日

新生銀行の買収防衛策になぜ反対する?

以下の日経記事にこんな記載があります。しかしマスコミは新生銀行の取締役会が反対しない限りは敵対的TOBと表現しないんですね。誰がどう見ても敵対的TOBだと思います。

SBI、敵対的TOBに発展も 新生銀行が防衛策導入

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB173290X10C21A9000000/

国内機関投資家の1人は「買収防衛策の導入はあり得ないので、反対だ」と明言する。そのうえで、「SBIは地銀再編などきちんと事業として運営する意図がある。新たな経営陣を送ることなども表明しており、株主価値の向上に努めることが分かる。今回は賛成に回る投資家は少ないのではないか」と指摘する。

なぜ反対するのか理解不能です。まだ新生銀行の買収防衛策の詳細が明らかになっていないので何とも言えないところがあるのは事実ですが、日経の記事には「新生銀がTOB期間の延長を求めるのは「株主が十分に検討する時間を設けるため」との意味合いが大きい。」と書いてあります。

新生銀行は銀行です。いろんなステークホルダーがいます。いろんなステークホルダーのためにいろんなことを確認しなければなりません。当然、30営業日で決められるわけがないのです。

そしてこの買収防衛策の導入はあり得ないと言っている国内機関投資家ですが、仮に新生銀行が「ホワイトナイトを探すためにも時間が必要なんです」と考えているとしても、時間を確保するための買収防衛策に反対しますか?目の前にぶら下げられたたった2,000円という価格に踊らされて「買収防衛策なんて反対だーー!」って言わないほうがいいですよ。

この国内機関投資家とやらは、買収防衛策の本質、本当の目的を理解していないから、こういうことを言うのでしょう。ホワイトナイトが現れるかどうかは誰にもわかりませんが、新生銀行が本当にホワイトナイトも視野に入れて行動しているのだとしたら、時間がかかります。なぜならホワイトナイトになるかどうかを決めるのは新生銀行ではないからです。相手先の事情、都合があるので時間がかかります。

当然、中長期的な企業価値、株主価値を考えれば、拙速にTOBに応募するという判断をするのではなく、時間をかけて対応するという選択をすべきだと思いますがねえ。

国内機関投資家こそ、買収防衛策は買収防衛策ではなくて時間と情報を確保するためのルールであることをちゃんと理解すべきだと思います。

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

カテゴリからニュースを探す

月別アーカイブ