2022年05月25日

どんな会社もセントラル硝子と同じような状態になる可能性があります

昨日、以下のニュースでお伝えしましたが、シルチェスターがセントラル硝子の株式を旧村上ファンドに売却しました。

https://ib-consulting.jp/newspaper/4252/

https://ib-consulting.jp/newspaper/4253/

以下は本日の有料コラムです。

No.1314 セントラル硝子はなるべくしてこうなってしまったと思います

有料記事なので詳細は申し上げられませんが、簡単に言うと、以前から私は「シルチェスターだからと言って安心してはダメ。シルチェスターはかつて保有していた株式を旧村上ファンドに売却したことがあるから、突如、保有株を旧村上ファンドが買い取るリスクがある」と指摘してきました。だからセントラル硝子の今の状態はなるべくしてなったと思っています。セントラル硝子は5月11日に100億円の自社株買いを公表しました。株価が上がれば旧村上ファンドが出ていくと考えたのかもしれませんが、微妙な規模です。旧村上ファンドが20%近く保有する中で、たかが発行済の12%程度の自社株買いで出ていくかどうか・・・。同じようなことをしたのが三信電気やマクセルHDです。

マクセルは特別配当を実施した結果、なんとか出ていってくれましたが、三信電気は一度目の自己株TOBでは一部売却したものの、結局けっこうな手残りが発生し、また買い増され、2度目の自己株TOBを実施しました。

100億円もの自社株買いをするのなら、旧村上ファンドが出ていくことが確約されていないとやるべきではないでしょう。だってドブに捨ててよい金額ではないでしょう?

セントラル硝子はこのままいくと、けっこう大変なことになってしまうのではないかと危惧しています。また、「100億円の自社株買いを公表したけど、旧村上ファンドは出ていかなったんだよね?もう手の打ちようがないんじゃないの?」と一般的は考えるでしょう。

でもそんなことないと思いますよ。具体的な内容をここで明かすことはできませんが、経営陣が戦う覚悟を持てば苦境を脱する方法はあります。もちろん自社株買いを公表する前に打つべき手ではあるのですが、今でも遅くはないでしょう。

繰り返しますが、経営陣の覚悟が重要です。

運よく平時の状態である皆さん、貴社がセントラル硝子と同じような状況に置かれる可能性は十分にあります。セントラル硝子だって旧村上ファンドが大量保有報告書を提出する前は「うちが誰かに買われることなんてないだろう」と思っていたことでしょう。今の皆さんと同じですよ。

今のうちからきちんと企業防衛投資をしておくことです。企業防衛にかかるお金は決してコストではありません。投資です。平時のうちに企業防衛投資をしておかないと、有事になってからえらいことになります。

 

 

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