2022年05月25日

気を付けなくていい投資家なんていないんですよ

昔シルチェスターに投資されたお客さんに「シルチェスターってどんな投資家?村上ファンドみたいに株主提案をしたり、敵対的TOBをしたりする投資家じゃないんだよね?そこまで気にしなくていいんだよね?」と聞かれたことがあります。

私の答えは「そこまでする投資家ではありませんし、したことはありません。でも気を付けなくていいというわけではありません。株主提案をほのめかして交渉してくることもありますし、なにより保有株を旧村上ファンドに譲渡したことがあります。そんなに株数を持たれていない状況であればそこまで気にしなくてもいいのですが、まとまった株数を持たれたらちょっとマズイかもと思った方がよいです」です。

ほかにも「シンプレクスという投資家は?上場子会社などに投資していることが多いみたいだけど、口うるさい投資家じゃないんでしょ?」と聞かれたこともありますが、まあシンプレクスにあれこれ経営に注文をつけられた会社って聞いたことがないです。でもシンプレクスも投資先が好まない先に株式を譲渡したことがあります。以下のケースです。

https://ib-consulting.jp/newspaper/864/

https://ib-consulting.jp/newspaper/2154/

最終的に菱洋エレクトロがレスターHDが自己株取得しました。

https://ib-consulting.jp/newspaper/2707/

シルチェスターにしろ、シンプレクスにしろ、旧村上ファンドのように株主提案をしたり、敵対的TOBをしたりすることはありません(シルチェスターは今年地銀各社に株主提案をしましたが)。でも、値段が折り合えば、投資先の好まない相手であっても株を売ります。

もちろんたいした株数を持たれていなければ、そこまで気にする必要はないですが、大量保有報告書が提出され、保有割合が上昇している状況だと話は別です。まとまった株数が好まない相手に移ってしまう可能性があるからです。シルチェスターが大量保有報告書を提出している先なんて山ほどあります。そういった先は突然シルチェスターから別の強烈な投資家に大量の株が移ってしまうリスクをかかえているということです。

シルチェスターだからいい、シンプレクスだから気にしなくていいという話ではないのです。

 

 

 

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