2018年01月10日

No.243 東栄リーファーラインの株式をまた買い増し

 MBOを公表したものの、旧村上ファンドグループに狙われてしまった東栄リーファーラインですが、また旧村上ファンドが買い増したようです。1月5日(金)に提出された変更報告書によると、保有割合は13.68%から14.90%に上昇しました。また、東栄リーファーラインに臨時株主総会の開催http://ir.toeireefer.co.jp/pdf/toeireefer20171220.pdfを請求している第2位株主のジェットエイトという会社も8.55%に増やしました。

株主構成を復習しておきましょう。しかし、年始にイヤなことしますね・・・。

 ジェットエイトは安定株主ではないということになりますから、2017/3期末の株主構成をベースに考えた安定株主比率は、法人株主22.6%-ジェットエイト4.9%=17.7%、三井住友銀行4.4%、三井住友海上4.0%、宮崎潤氏2.7%、宮崎清吾氏2.6%、商工中金2.3%?の合計33.7%です(商工中金や東京中小企業投資育成という会社を安定株主に入れていいのかどうか、ちょっとわかりません。10位の西氏はジェットエイトの人です)。

 旧村上ファンドとジェットエイトの持分の合計は23.45%です。東栄リーファーラインの株主総会における議決権行使率ですが、2017年6月総会では71.8%でした。議決権行使率を加味した影響力は、約32.6%です。けっこうな影響力ですね。もう少しで拒否権を確保です。まあ、MBOに応募がたくさんあつまり株主が集約されれば議決権行使率は上昇するでしょうから、影響力は下がるでしょう。TOBの期限は明日1月11日(木)です。このまま終了といったところでしょうか?TOB成立の下限は発行済みの2/3だそうです。集まるでしょうか?まあ、集まってしまえば東栄リーファーラインの勝ちですね。ただし、東栄リーファーラインの勝ちではありますが、市場価格よりも安いTOBに応募した株主である上場企業が無事で済むかどうかはわかりません。また、旧村上ファンドも買取請求などをしてくる可能性も残っていますね。

 なお、1月9日の東栄リーファーラインの株価は、旧村上ファンドの変更報告書提出に反応したのか、前日比27円高の716円でした。おかげさまで、5,800円儲かっています!

 

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