2023年08月30日

No.1592 メッタにネタにしないコーポレートガバナンス!

私がメッタにコラムのネタにしないコーポレートガバナンスが本日のテーマです。

先日、ヤマトさんの「クロネコヤマトミュージアム」に行ってきました。ヤマトホールディングスです。宅急便を持ってきてくださるとうちの子供たちが「あ!ヤマトさんが来た!」って言うんで、うちではヤマトさんと言っていますw

https://www.yamato-hd.co.jp/museum/

ここおもしろいんですよ。ヤマトの歴史もおもしろいし、子供たちがヤマトさんの制服を着て荷物を運び入れる「宅急便体験コーナー」があります。子供が一生懸命荷物をトラックに運び入れる姿はほほえましいです。

で、私は子供のことを忘れ、すっかりヤマトさんの歴史をずーっと見ていたのですが、ミュージアムの終わりの方にヤマト関連の書籍が置いてあったんですよ。なんとなく手に取ったのが以下です。非常におもしろかったので、後日購入しました。

ヤマト正伝 小倉昌男が遺したもの

おもしろくて読み進めていたら、ヤマトの社長だった有富さんが以下のようにおっしゃっていました。まさに「そう!そういうこと!」と思いました。

指名報酬委員会を設置した2005年頃、日本では社外取締役の導入やコーポレートガバナンス(企業統治)の強化を進める企業が増えていました。

私も色々と研究しましたが、当事は社長と親交の深い経営者や、法律や金融などの特定の分野に精通した専門家が選ばれたりするケースが多かった。これは違うと思いました。

社外取締役の役割はたった2つしかありません。

一つは社長と同じ経営者の立場で意見を言うこと。当社が存亡の危機に直面した時に、「そんなことをやっちゃいかんよ」と言えるチェック機能です。もう一つは後継者の選定で現役社長の相談に乗るという助言機能。

社外取締役の仕事はこの2つで十分なのです。だから私は社外取締役の方々に、この2つだけをお願いしますと伝えました。

小倉さんというカリスマが去った後も成長を続けるのに、最も重要なのは社長の選定です。だから指名報酬委員会を設置し、社外取締役を招いて、より優秀なトップが選ばれる仕組みを構築したのです。

そう!おっしゃるとおり!巷では社外取締役の役割うんたらかんたらと説明した書籍や解説、アドバイザーの助言などがありますが、私も有富さんとまったく同じ考えですね。

社長に対して「社長!それはいかんですよ!」「やりすぎですよ!(やらなすぎですよ!リスクとれ!)」とちゃんと言える人。そして社長が「次期社長には●●がよいと思うのだけど、どう思うか?」と相談できる人。モノが言えて、人を見る目がある人。これぞ社外取締役ですよ。

例えばですが、皆さんの会社の社外取締役にニデックの永守さんが就任したとしましょう。たぶん永守さんは言いたいことを言うでしょう。

「社長!株価安すぎるで!PBR1倍割れなんて恥ずかしい状態は一刻も早く脱すべき!いつまでにどうするのか次の取締役会で説明してや!」

「社長!この間議論したM&A!ホンマに儲かるの?FAに騙されてないか、もう1回よーく考えたほうがええで!」

「社長!いくら業界No.1やから言うて、こんなに給料もらってええの?PBR1倍割れしてるのに、あんた●億円ももらってええのかちゃんと考え直しなはれ!」

「社長!給料が安すぎる!あんたがもっともらわんとダメ!」

「敵対的買収?誰にとって敵対的なのか?社長、あんたが守りたいもんはなんや?」

「この敵対的TOBに反対するんやったら、いつまでにどうやってTOB価格を株価が超えるのか?それを明言せい!」

これくらいのこと、言うでしょ?

私、社外取締役が取締役会の過半を占める必要などないと思うし、そもそも社外取締役の本来の役割を担える人ってそんなに適任者はいないはずなんですよ。

まあはっきり言いますけどね、女性役員30%???知らんがな、ですよ。役職が人を育てる場合もありますが、人事の基本は適材適所。きちんと社長にモノを言えるか?言ってることがトンチカンな内容ではなく「なるほど!」という内容か?次期社長が社長としてふさわしい経歴、そして人格なのかを見極める目を持っているか?女性を30%にすると、なんかいいことあるの???ちゃうやろ??? 私、女性の地位向上のための施策に反対しているわけではないですよ。会社の役員、経営者って、会社の船頭なんですよ。船頭を形式的な基準なんかで決めたり、形式的に決められた人材に船頭を決められたりするのはよくないです。会社を遭難させたり、最悪、転覆させたりしますから。

ああ、怒られるwww

PBRの議論だってそうよ。あんまりPBR、PBRと鬼の首とってみたい言うのもどうかと思いますよ。単なる1つの指標。どうやっても達成できない会社もあるし、この業界ではムリやろ?というのもある。「だったらM&Aしろー!」と短絡的に言う人もいますが、時間かかりますよ。「だから日本の経営者はスピードが遅いんだ!」 はいはい、会社経営ってそんなに簡単じゃないのよ。。。M&Aってこっちの都合だけでは進みませんから。

ちょっと脱線しましたが、社長が社外取締役を選ぶ際に重視すべきは

「この人はオレをちゃんと叱ることができる人か?」

「この人は人を見る目があるか?」

この2つです。私、社長という役職は本来「超ドMな人がやる仕事」であると思っています。ドSがやってはいけない仕事です。だってドSは人の言うこと聞かないもん。

ようはわかりやすく言うと、超ドMである社長が社外取締役に求めることは「あの人はオレが暴走しないようにちゃんとうまくムチを使えるか?」「次のドMをちゃんと見極められる人か?」です。ドSはムチでたたかれるのイヤがるでしょ?だから本来、社長業なんてやっちゃいかんのですよ。社外の人に厳しいことなんて言われたくないんですよ。

見た目ドS、中身はドMという人が本来社長になるべき人なのです。だから派閥を作って自らが社長になろうと躍起になる人はドS気質ですから、本来社長になどなってはいけないのです。

永守さんとか柳井さんとか孫さんってどーなんやろか???奥様がどういう人なのか?ですかね。厳しそうな奥様だとしたら、お三方とも・・・。

 

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