2019年06月10日

No.603 ココカラファインを巡るマツキヨとスギHDについて

最近、ココカラファインを巡る動きが活発化しているようです。マツキヨは6月5日に、資本業務提携を協議中のドラッグストア大手ココカラファインと経営統合も含めて検討を進めると発表したそうです。https://www.matsumotokiyoshi-hd.co.jp/news/data/a14c9a2fbac4f0bfd98b090b0690070c.pdf

一方、ココカラファインはスギHDとも経営統合の協議を始めています。https://corp.cocokarafine.co.jp/news/pdf/20190601_TD02.pdf

さてどうなるでしょうか?まずココカラファインの株主構成を見ておきましょう。

安定株主比率は、法人株主14.15%、従業員持株会4.04%、齋藤眞由美氏2.55%、三菱東京UFJ銀行1.85%の合計22.59%です。時価総額は1,337億円です。なお、マツキヨの時価総額は3,535億円、スギHDの時価総額は3,125億円です。これ、ココカラファインの争奪戦になる可能性がありますねえ。また、マツキヨやスギHD以外の会社が参入してくる可能性もあるのではないでしょうか???

それに加えて、このような状況になって登場するのがアクティビスト・ファンドですね。ココカラファインの株式を大量に市場で取得し、経営統合のキャスティングボートを握りに来る可能性があります。なお、ココカラファインは事前警告型ルール(買収防衛策)を導入していません。ちなみにマツキヨは事前警告型ルールを継続しており、スギHDは2011年4月に廃止しました。

ココカラファインに対して敵対的TOBを実施したらどうなるでしょうか?成功しますね。安定株主比率が対して高くなく、かつ、外国人株主比率もそこそこあり、個人株主比率も高いです。相応の値段を付ければ簡単に買えると思います。ただ、争奪戦になることが想定されますから、簡単にはいきません。TOB価格の引き上げ合戦になる可能性が高いです。

なお、この業界ですが、かつてアインファーマシーと経営統合しようとしたCFSコーポレーションに対して、CFSの株式を約15%保有していたイオンが反対を表明しプロキシーファイトを実施したことがあります。経営統合議案は否決されました。けっこう大変な業界ですね。

余談ですが、どこかの会社に敵対的TOBを実施するとして、なるべく第三者が登場しないようにする買収方法があります。本気で興味のある方には手法をお教えします。この手法はわが社の虎の子です。敵対的であってもあの会社がほしい、とお考えの会社がありましたらご協力いたします。もちろん、感情的な敵対的TOBには協力しません。大義のある敵対的TOBに協力します。

 

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