2018年02月13日

No.267 五輪~本日は仕事の話ではありません~

 平昌オリンピックが始まりました。今日のコラムは息抜きで読んでください。2017年8月18日のコラム番外編「私の履歴書」でお伝えしましたが、私、学生時代にスキーのジャンプをやっていました。ちょっとだけ自慢しますが、大学4年の全日本学生スキー選手権大会で優勝しています。「なんでオリンピックに出なかったの?」と聞かれたことがあります。それは「優勝と言っても4部校での優勝だからです・・・。」「え、何部まであるんですか?」「4部までです・・・。」 4部校優勝ではオリンピックはムリです。ラージ・ヒルなんてでかすぎて、飛べません。私が飛んでいたのはミディアム・ヒルです。

http://www.meg-snow.com/jump/rule/index.html

リンク先にある名寄ピヤシリシャンツェの左側の台なら飛んだことがあります。大倉山なんぞおそろしくて飛べません。気合と根性入れたら、宮の森なら飛べたかもしれません。

http://www.meg-snow.com/jump/schanze/index.html

皆さんからよく聞かれるのが、「ジャンプって・・・怖くないの?」です。いや、怖いですよ、そりゃ。毎朝、ジャンプ台に行く際に頭の中で「ドナドナ」が流れます。なんだか悲しい気分でジャンプ台に行っていた記憶があります。調子のよいときはヴァン・ヘイレンの「Jump」が流れていました。

 「飛んでるときはどんな気分なの?」 私の場合、飛んでるという感覚はありませんでした。なんだか距離の長い走り幅跳びをしている感じでしょうか。ま、風を受けると「おお、今日は飛んでるなあ」と感じる時もあります。あまり飛ぶと怖くなります。一応、ミディアム・ヒルのK点越えをしたことは何度かありますよ。K点のKって何かご存知ですか?「キケンのKだろ?」 違います。Konstruktions Punktというドイツ語です。まあ、僕らのレベルでK点を意識して飛ぶことはあまりありません。P点です。P点とは標準点のことで、ノーマル・ヒルなら70mです。

 皆さんよく誤解するのが「ジャンプってすごいスピードで飛び出して、すごい高さで飛んでるよね?」という点です。すごいスピードも出ていませんし、すごい高さで飛んでもいません。そもそもジャンプのカンテ(踏み切り台)以上の高さになることは、物理的にあり得ません。カンテの角度は私の記憶ではマイナス9度です。ようは水平よりも若干下を向いているということです。皆さん、スキー競技のエアリアルやモーグルのジャンプ台のように角度が上向きだと誤解しているようですが、下向きなのです。だからカンテの高さ以上の高さでは飛べません。また、スピードもスキーのダウンヒル競技などは130㎞くらいでていますが、ジャンプなんてラージ・ヒルでも90㎞くらいじゃないですか?たいしたスピードではありません。ヘルメットかぶってますから、あまりスピード感もありません。

 「ジャンプなんてやってたらジェットコースターとか好きでしょ?」 大嫌いです。絶対に乗りません。なぜなら他人が操作しているものに命を預けるのがイヤだからです。それにあの「フワッ」として内臓が浮き上がる感じがイヤなんです。ちなみに、高いところも苦手です。吊り橋なんぞ渡れません。名古屋の伊勢湾岸高速に赤くてデカい橋があるのですが、そこをクルマで渡るのがイヤなので伊勢湾岸高速は極力使いません。使う場合も妻に運転してもらいます。

「なんでジャンプなんてやろうと思ったの?」とよく聞かれます。はい、チームのためです。私が所属していた上智大学体育会スキー部の目標は「最下層である4部から3部に上がろう」でした。1部10校、2部20校、3部30校、4部は?90校です。3部に昇格することが悲願でした。3部に上げるためには上位3校に入らなくてはなりません。そのためにはポイントを獲得する必要があります。当初はアルペン競技をやっていましたが、とてもじゃないけど参加人数が多すぎてポイントなど取れません。ジャンプは競技人口が少ないのでポイントを取れる可能性があります。結果、ジャンプで優勝して16ポイント、複合で3位となり13ポイント獲得。見事、チームも優勝し3部に昇格しました。あ、複合というのは荻原健司がやってたジャンプとクロスカントリースキー両方をやるアレです。ジャンプで大差をつけたものの、いとも簡単に抜かれたので3位でした。度胸はあるのですが、根性がありません。なお、チームのためにジャンプを選択したのは事実ですが、「就職活動のネタになるな。フフフ」というスケベ心があったことは否定しません。全力でアピール材料として使いました。野村に内定が決まって、その後インカレで優勝したら、野村の人事担当から「おお、すげーなあ。そのネタ、営業で使えるな!」と言われました・・・。なんだかさみしい気持ちになったことを覚えています。

 人生で一番感激したスポーツの場面を聞かれたら、当然、長野五輪のジャンプ団体と答えます。私もあのように感動を与えられるようなコンサルティングをしなければならないと思っています。

「鈴木君がいるからヘンなヤツらが寄ってこない!」「鈴木君のおかげで助かったよ~」

本日は以上で。

 

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