2023年10月10日

No.1612 大事なのは不動産を売った後でしょう

以下の日経記事ですが、記事にも書いてらっしゃるものの、やはりちょっとした違和感があります。これ、誰のための不動産売却なんでしょうか?

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB06A700W3A001C2000000/

もちろん信託銀行には信託銀行のビジネスがありますから、当然、顧客に不動産売却の提案をするのは当たり前のことです。上場会社にとって重要なことは「賃貸不動産を売却した後、その売却資金を何に投資するのか?」ということでしょう。

記事にもある通り、市場からの評価を高めるために不動産の有効活用に向けた動きがあるのかもしれませんが、売った資金を何に使うのか?の議論をより深くしなくてはならないでしょう。当たり前のことですが。明確な使途がないのであれば、持っておいた方がよいとも言えますので。

経営者にとっての本音は、おそらく不動産収入があったほうがよいでしょうね。私も賃貸用不動産があれば落ち着いて経営をすることができるのになあと思いますよww うらやましいww ちなみに不動産子会社を100%化する事例もありますよね?海運とか。業績のボラティリティが激しい業界だと、どうしても安定した収入は欲しいですよね。

ですから一概に不動産事業を抱えていることが悪いのかと言うと、経営者のマインドなどを考えると一概に悪いとも言えないように思います。

株主利益を考えることは上場会社として当たり前だし、重要なことです。ただ、振り回されすぎるのはよくありません。自社の事業構造をよく考え、不動産収入があったほうが業績が安定する、経営者が落ち着いて経営できるのなら、それはそれでメリットがあるのですから。

誰がどういう目的で提案をしてくるのか、それは本当に貴社にとって価値のあることなのかをよーく考える必要があります。

そりゃそうと、記事中にある賃貸不動産を有する会社とそうではない会社のPBRって、それほど差がありますかね???

 

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