2017年09月07日

No.162 電炉 高まる再編機運(2017/9/6 日経17面)

 昨日の日経17面にあった記事です。気になる点は、「エフィッシモは業界を問わず再編のにおいに敏感だ」という箇所です。エフィッシモは東京鐵鋼の筆頭株主ですし、大阪製鉄の株式も約5%保有しています。記事にもありますが、大阪製鉄といえば、2007年に予定されていた東京鋼鐵との経営統合議案をいちごアセットのプロキシーファイトによって否決されました。最終的には2016年に大阪製鉄が東京鋼鐵を子会社化しました。

 確かにエフィッシモってにおいに敏感です。例えばTASAKI。エフィッシモは2016年12月6日に最初の大量保有報告書を提出しました。その後、TASAKIは2017年3月24日にMBOをすることを公表しました。当然インサイダー情報など保有していないのでしょうから、大した目利きです。さて、エフィッシモが保有している銘柄で、資本上位会社が存在する企業はどこでしょうか?

結構ありますね。中にはすでに売ってしまった企業もあると思います。こういうのを見て思うのは、「やっぱり安定株主比率が高いからと言って安心はできない」ということです。そして、ここに記載している企業がそうだと言っている訳ではありませんが、資本上位会社が存在する企業に対してエフィッシモは「プレッシャーに弱い会社」と見なしているかもしれません。安定株主がいるから株主総会運営で困ったことがない、買収防衛策や株主構成のことなど考えたことがない、安心しきっているから危機に弱いに違いない、と。

でも、これって資本上位会社が存在する企業に限られる話ではないのです。日本企業全体に共通する話です。実態がどうかは別です。村上ファンドやエフィッシモのように日本人が運営しているファンドではなく、外国人が運営しているファンドの場合「日本企業は安定株主で守られているんだろ?プレッシャーに弱いに違いない」と考えているのではないでしょうか。

安定株主比率がそこそこあれば株主総会運営はなんとかなるという時代ではなくなったということですね。また、そこそこの安定株主比率では買収されてしまうというのもわかってきた時代です。

 

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