2018年05月08日

No.323 買収防衛策の新規導入 株式会社ナガワ(コード9663)

 珍しく買収防衛策の新規導入です。株式会社ナガワという会社です。四季報によると「ユニットハウス大手。大型倉庫等システム建築拡充。タイ等アジア展開。総還元性向30%超メド」となっています。さて、ナガワの株主構成を見ておきましょう。

 法人株主9.97%、高橋氏ら24.33%、菅井氏4.53%、北洋銀行4.17%、三菱東京UFJ銀行3.72%の合計46.72%が外部から見た安定株主比率です。高いですね。時価総額は約780億円です。どうして買収防衛策を導入するのでしょうか?

 この人のことが気になっているのでしょうね。シンフォニーフィナンシャルパートナーズ。SFPです。一昔前ですが、積極的にMBOの提案を上場会社にしていたと記憶しています。さて、SFPはナガワ株式を何%保有しているのでしょうか?SFPが大量保有報告書を提出したのが、2007年4月11日とずいぶん古いです。たくさん変更報告書が提出されているので細かくはみませんが、直近の変更報告書は2017年10月5日に提出されています。保有割合は19.91%です。「買収防衛策って20%以上買うときはルールに従え、って内容が多いよな?去年の10月に19%まで買われてるのに、大丈夫?」と思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?ナガワは今回の買収防衛策でトリガーを20%ではなく、25%にしています。

しかし、もっと早い段階で買収防衛策を導入できなかったのでしょうか?少なくとも4~5年前には導入できたはずです。しかも世間的には今よりも導入しやすい雰囲気だったでしょうし。トリガー25%って・・・。もちろんトリガーを25%に設定したケースはありますよ。でも、ずいぶん前から買われていた訳ですからねえ。

 なお、当然ですが、平時の状態から買収防衛策を導入しておくことが重要です。ただし、いろんな事情で導入できない場合もあるでしょうが、異変を感じたら即導入です。

 

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