No.1224 （無料公開）3Dの東芝に対する株主提案。だったらあんたがやれば？
東芝の株主である３Dが東芝に臨時株主総会の開催請求をしました。以下のとおりです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000078783.html
臨時株主総会に付議される議案は2つです。まず1つ目は以下です。
当会社は、2021年6月25日に設置された戦略委員会が策定し、取締役会が承認した戦略的再編について、会社法その他の適用法令の要請に従って、取締役会が決定した方法により、取締役会が決定した時期に実施することとする。2021年11月12日に当会社が公表した当社グループを3つの独立した会社とする戦略的再編は本条の適用を受ける戦略的再編に該当する。
定款変更議案なのですが、３Dは自らこの議案を提案しておきながら反対するそうです。3分割案に３Dは反対しており、株主提案をし、自らも含めた株主が反対し否決させることで3分割案を早期につぶしたいのでしょう。
2つ目の議案は以下です。
戦略委員会及び取締役会は、すべての企業価値向上策を既に推奨されている戦略的再編と比較・評価するため、検討手続を継続する。検討手続においては、(i) 非公開化又はマイノリティ出資に関して積極的に検討を行い、(ii) すべての検討内容、受領した提案及び検討結果の詳細を株主に対して定期的に報告するものとする。
ようは3分割案のような株価が上がるかどうかもわからん戦略を実行させるより、手っ取り早く買収者を取締役会が連れてきて高値で非公開化しろー！ってのが本音なんですね。
なるほど。では私の考えを述べます。
「そんなに東芝を非公開化させたいのなら、PEファンドを連れてきて非公開しろーって言うんじゃなくて、３Dさん、あなたがやればいいじゃないですか？」
東芝ってなんだかいつも臨時株主総会をやっているイメージなんですけど、ここ２～3年で何回やったんですかねえ？こんなに何回も臨時株主総会をやらせるなんて、対応させられる従業員があまりにもかわいそうです。こんな非生産的な対応を強欲な株主のためにさせられるなんて、あまりに悲惨。こんなことを従業員にやらせていて、経営陣は従業員に対して申し訳ないと思わないのでしょうか？
そんなに東芝を非公開化して再建するのが望ましいなら、オマエがやれ！できないんだったら言うな！ではないでしょうか？東芝の経営陣はそろそろ本気で腹をくくるべきです。そして自分たちだけの利益しか考えないアクティビストと対決すべきではないでしょうか？
本来、経営陣と株主が対立するのはよくないことだとは思いますが、この状況を放っておくと東芝の企業価値が著しく毀損されてしまいます。そもそも3分割案って誰のための施策なのでしょうか？東芝の経営陣がアドバイザーとともに「これであればアクティビストも納得してくれるかもしれない」ってひねり出した策なんでしょ？（もしくは非公開化を避けたいためにひねり出したのかもしれませんが、解体するという意味では非公開化を選択しても一緒のことになる可能性があり、単純に非公開化がイヤだからという理由だけでもないように思います）
経営陣自らが東芝を解体する道を選択したにもかかわらず（それが企業価値向上にプラスかどうかは置いといて）、それでもアクティビストが「3分割で株価が上がるんかい！今すぐ上がる策を提示せんかい！」と言っています。もう一度、第三者割当増資の価格と株価の推移を見てみましょう。
十分儲かっとるやんけ・・・。欲が過ぎる・・・。と思ったら3Dは事情が違うようです。
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00112/010600052/?P=3
QUICK・ファクトセットによると、3Dの保有株式に占める東芝株は8割超となっている。3Dは21年にも東芝株を大量取得しており、「ほかの大株主より取得価格が高い」（関係者）とされる。高値の売却が期待できる非上場化を求める動機が、アクティビストの中でも強い可能性がある。交渉は険しい道となりそうだ。
東芝はこの株主の言うことを聞くべきではありませんよ。自分たちが勝手に高いところで買っておいて、自分たちの儲けが少ないからわがまま言ってるだけです！こんな株主のために会社を解体するなんてありえない！
東芝の経営陣は3Dとは徹底的に戦うべきだし、3分割案もやめるべきです。こんなことをやっても、株主価値＝株価が一時的に上がる可能性はあっても、企業価値・会社の価値は下がるだけでしょう。
東芝の経営陣は東芝にとって守るべきものは何なのかを真剣に考えてみてはどうでしょうか？今一度、東芝の歴史を紐解き、東芝がどうやって成長してきたのか、企業価値の源泉はなんなのかをよーく考えてみてはどうでしょうか？小手先の3分割案など誰も評価しませんよ。
そして東芝の経営陣はアクティビストと戦う覚悟を持たなくてはなりません。従業員とともに。以下ご参考。
