2025年05月09日

No.2018 ニデックはいったんじゃなくてTOBを撤回!?

昨日のコラムで私は「ニデックは買収防衛策の発動回避のためいったんTOBを撤回し、再度TOBを実施する」と予測しました。しかしどうもニデックはTOBをいったんではなく撤回し、再開しないような・・・。

ニデックが牧野フライスTOB撤回 経済損失を回避、M&A戦略変えず

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF08A8W0Y5A500C2000000/

ニデックには高裁への即時抗告や、TOBの期間延長を目指す選択肢もあった。地裁の判断だけで撤回を選んだ背景には「これ以上時間をかけられない」(幹部)との判断もあったもようだ。

法廷闘争やホワイトナイト(友好的買収者)との対峙に時間を使うより新たな案件に集中する方が得策だと判断した。

TOBを撤回したうえで時期を改めて再度開始する選択肢もある。ただニデック広報は「今回はシンプルな判断」として再挑戦には否定的だ。幹部は「他にも案件はたくさんある」とし、買収を通じて成長を目指す戦略に変更はない。

これ以上時間をかけられない???まだ4カ月くらいしかかけていませんけど???それに、牧野フライスの買収防衛策は同社自身も言っているように大した防衛効果はありませんよね?これに屈するのだとしたら、どんな会社への買収提案も成功しませんよ。永守さんが本件をあきらめるということは、二度と敵対的TOBをしないと宣言しているのも同じだと思いますが。

だって、「牧野フライスと同じようにごね倒せば、永守はあきらめる」って対象会社は考えるでしょうね。これ、たぶん世間的には「牧野フライスがごねたせいだ!」「牧野フライスは株価を11,000円以上にする責任がある!」っていう論調になるのだと思いますが、違いますよ。いろんなステークホルダーに対して無責任な買収提案をした永守さんに責任がありますよ。

永守さんは自社株買いをやると公表しておきながらやらないことがありますが、今回も似たような感じですね。

https://www.nidec.com/jp/corporate/news/2024/news0524-01/

多くのステークホルダーの反発でニデックの企業イメージが低下することへの警戒もTOB撤回につながった。

永守さん、本気でこんなことを思っているのだとしたら大丈夫ですよ。貴社の企業イメージはいろんな意味でどん底まで低下しましたし、そもそも企業イメージのよい会社ではないでしょうに。

これから貴社が敵対的TOBを実施しても、投資家は誰も期待しないし、対象会社は「ごね倒せば大丈夫!」と考えてあらゆる手段を用いて拒絶するでしょう。永守さんは以下のインタビュー記事でこうおっしゃっていました。

https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00653/070200004/

TAKISAWAへのTOB提案では、ある会社が対抗買収に名乗りを上げたらしいといったことがだいぶ後になって分かりました。それで、うちの社内でも慌てる声が出てきたりしました。

でも、僕はこういう時は、やり抜く覚悟が必要だと思ってます。本当に対抗者が出て、相手が買い付け価格を上げてくるなら、その相手にTOBをかけてもいいとさえ思ってます。ちょっと値段が上がって、おたおたするようではやられますよ。だから、社内に「同意なき買収」に反対する勢力がいるような会社はできないでしょうな。

やりぬく覚悟はなかったんかい?あ、ちなみに牧野フライスさんはこれで終わったと思わないほうがよいです。

https://ib-consulting.jp/column/5490/

なお、今回、ホントに敵対的TOBを撤回し再開しないのだとしたら、別の真の理由があるのでしょうね。

永守さんはTAKISAWAに対して敵対的TOBを実施した際「ワシが同意なき買収の扉を開いた!」的なことをおっしゃってましたが、やっぱりあなたじゃないんですよ。王子製紙であり伊藤忠商事なんです。経済産業省の指針といったお膳立てのない中で、かつ、世間の批判も恐れずに敢行した会社こそが道を拓いた会社なのです。

ニデックのアドバイザーは踏んだり蹴ったりですね。永守さんに振り回されてお気の毒です。何より、これからのことを考えると牧野フライスがいろんな意味で気の毒です。

 

このコラムのカテゴリ

関連する
他のコラムも読む

かつてイオンが15.01%を保有していたCFSコーポレーションがアインファーマシーズと経営統合しようとしたところ、イオンがプロキシーファイトを仕掛け、CFSコーポレーションの株主総会で経営統合議案が否決されました。今回のクスリのアオキ...

続きを読む

2021年になってすでに4件の敵対的TOBが起きました。本格的な敵対的TOBが日本で起きたのは2000年の村上ファンドによる昭栄に対するものです。

続きを読む

カテゴリからコラムを探す

月別アーカイブ