No.309 旧村上ファンド～次はやっぱり空ときたか～
旧村上ファンドグループの㈱レノが新たに大量保有報告書を提出しました。株式を取得されたのは、7224新明和工業です。ホームページを見ますと・・・
新明和工業とは・・・
前身は川西航空機であり、当時は九七式飛行艇や二式大型飛行艇などの飛行艇、局地戦闘機紫電/紫電改を開発･製造を担当した製造会社として知られていた。戦後、川西航空機は民需転換を図る中で社名を明和興業（めいわこうぎょう）に変更。これが新明和という社名のルーツになる。戦時補償債務打ち切りに伴う関連法の企業再建整備法により明和興業は吸収分割されることになり、自動車部門の明和自動車工業（現・ダイハツ工業）と汎用機械部門の新明和興業という、2つの会社として再設立された。ウィキペディアより
やっぱり、次は空ときましたね。「？？？」 いやいや。旧村上ファンドが促した、狙っている業界再編は？阪神阪急＝陸、日本郵船や川崎汽船＝海・・・そして新明和工業＝空！ま、そんなことが理由ではないのでしょう。
でも、新明和ってこういう飛行機を作っているみたいなんです。見にくいかもしれませんが、デカデカと「海上自衛隊」って書いてあります。新明和の企業防衛ではなく、日本の国防は大丈夫なのか？と心配になってきました。
なぜ狙われたのでしょうか？財務を見てみますと、現預金188億円＋投資有価証券70億円－有利子負債1億5000万円＝ネットキャッシュ257億円です。時価総額は977億円です。旧村上ファンドにとっては狙いどころといった規模でしょうか。
さて、株主構成も見ておきましょう。
法人株主比率12.13%、新明和グループ従業員持株会2.01%の合計14.14%が安定株主比率です。外国人株主比率が44.98%とかなり高いです。高過ぎます。新明和工業の4/11の株価は1023円で、PBR0.8倍、PER14.01倍です。ちなみに新明和工業の配当の状況ですが、13/3期10円（単体配当性向27.1%）、14/3期12円（22.2%）、15/3期14円（20.7%）、16/3期14円（17.7%）、17/3期14円（20.6%）です。財務体質は非常に良好ですから、増配余力はありますね。昨年の株主総会議案については概ね高い賛成率なのですが、社外監査役の選任議案のみ賛成率が62.12%となっています。正確な要因はわかりませんが、取引先出身ということが影響しているようです。
今年の新明和工業の株主総会における株主提案権を旧村上ファンドが確保しているかどうかはわかりません。確保していたとしても、保有割合は大したことないのでまだ提案しないかもしれません。でも、外国人株主比率の高さが非常に気になります。これだと、例えば増配提案なんかを出されたら、可決されそうな気がします。黒田電気に対する株主提案が可決されたのは、数多くの株主が支持したからではなく、単に旧村上ファンドが38%もの株式を握っていたからです。もしこの保有割合（3月末はもっと少ないと思いますが）で株主提案がなされ、可決されてしまった場合は本当に衝撃的です。過去の議案の賛成率の低さや外国人株主比率の高さを考えると、可決されても不思議はありません。こういう会社、日本にはたくさんあります。
しかし、新明和工業は大量保有報告書を提出されて株主であることがわかったのでしょうか。それとも9月中間期末の名簿でわかっていたのでしょうか。いずれにせよ、新明和工業はバタバタでしょうね。今年の総会に出てみたい気もしますが、株を持っていないので出られません。というかこの会社の本社は兵庫県宝塚市新明和町・・・。あぶなく中国塗料の株式を買った時と同じ過ちをおかすところでした。
どなたか、なぜ旧村上ファンドが新明和工業をターゲットにしたのか、見立てを教えていただけましたら幸いです。
