2018年05月30日

No.347 ISSの推奨には徹底的に反論すべし

もう少ししたら、招集通知が発送されます。そうすると、また、ISSの推奨に悩まされる企業が出てくることでしょう。昨年の野村ホールディングスのケースを抜粋します。2017年6月2日に野村ホールディングスが公表したプレスの一部です。

http://www.nomuraholdings.com/jp/news/nr/2017_3.html

ISSは公表している独立性基準に則って賛否の推奨をしています。しかし、これってお金を払ってレポートを入手する価値があるのか私は疑問です。公表されている基準に則って推奨するなら、公表されている基準どおりに機関投資家が判断すればよいだけの話ですから。「監査法人出身だから反対推奨」 誰でも言えませんかね?そもそも機関投資家は独自の基準を設けているでしょう。

私がISSなら、こうします。まず、ホームページなどで「ISSの独立性基準に抵触する可能性のある人物を候補者とする場合、事前に連絡をいただきたい。反論があれば事前に書面で教えてほしい。また、候補者にインタビューする機会を設けていただきたい」と公表します。そして各企業からの反論内容を確認し、候補者にインタビューし社外取締役として相応しいかどうかをチェックします。反論内容やインタビュー内容を吟味した結果をクライアントである機関投資家に説明し、賛否の推奨をします。ここまでやれば、付加価値のある助言と言えるのではないでしょうか?こう書くと皆さんおそらく「こんなことをやっていたら時間も人も足りないのではないか?」と思われるでしょう。ISSも「物理的に不可能だ!」と反論するでしょう。

はい、そこがポイントなのです。ISSがもし「物理的に不可能だ!」とおっしゃるのであれば、自分たちの非を認めていることになります。つまり、人員もいないのにムチャなサービスをやっているということです。本来、各企業の社外取締役候補について、判で押したような助言をするなんて、そもそも大変失礼な行為です。候補者の人物像も知らずに「●●の基準に抵触するから反対~」なんてあまりにムチャで無責任な推奨です。本当はきちんと候補者を精査すべきなのです。すべきなのに、人員がいなくてできない、というのが実情ではないでしょうか?

取引銀行出身、監査法人出身、主幹事出身だから「反対します」 あまりに乱暴じゃないですか?銀行をすでに辞めている方が、出身銀行を忖度するでしょうか?私、証券会社出身ですけど、仮に野村主幹事の会社の社外取締役だったとして、野村證券を忖度するようなことはあり得ませんね。だって、もう関係ないですもの。銀行出身、監査法人出身の方だって同じでしょ?ISSは「日本企業における終身雇用の文化と、長期雇用された従業員がその雇用者に対して持つ強い帰属意識」を挙げていますが、的外れです。ドラマの見過ぎです。日本の経営の実態をドラマを通してしか知らないのではないでしょうか?退職後の人生を会社に握られている人なんてお会いしたことないです。銀行出身の方にはたくさんお会いしていますが、出身銀行を忖度している方なんて会ったことないです。出身銀行を忖度した瞬間に、次回の候補者から外れるでしょうね。ISSの方、「半沢直樹」を見過ぎじゃないですか?

そもそも社外取締役候補者に会ったこともないけど反対するのは、株主であれば構いません。与えられた情報で判断するしかないから、です。しかし、ISSは議決権行使における賛否の推奨をしている会社です。それをビジネスとして顧客である機関投資家からお金をもらっているのでしょう?だったらなぜ、最大限の努力をしないのでしょうか?なぜ相応しくないと思われる候補者が、本当に相応しくないのか面談しないのでしょうか?面談させてくれと会社に依頼しないのでしょうか?加えて、そんなレベルの低い推奨を賛否の根拠としたり、金を支払っていたりする機関投資家の神経も疑います。

職務怠慢です。会ったこともないのにISSは野村ホールディングスの社外取締役に反対し、かつ、「野村には新日本監査法人のための枠でもあるのか」と罵倒しました。野村ホールディングスにインタビューでもしたのでしょうか?していないでしょうね。

皆さん、ISSが議案について反対推奨をした場合、きちんと「ISSから当社は何もヒアリングされていない。にもかかわらず、機関投資家に対して「反対推奨」をしています。おかしくないですか?株主が自己責任で与えられた情報のみで判断し、自己責任で反対するならわかります。でもISSはビジネスで議案の推奨をしているのですよね?にもかかわらず、何ら会社に確認、インタビューなどもせずに議案に反対推奨するなんておかしくないですか?少なくともこれまでISSを利用し、賛否の根拠としていた投資家は、このようないい加減でレベルの低い推奨に従わず、ご自身で判断していただきたい」ってな感じでどうでしょうか?さらに過激に「ISSのサービスを利用しているような投資家に当社は投資してもらいたくありません。」と言い放ってしまいましょう。それくらい言っても構わないと思いますよ。ただし、投資家に対しては、議案の丁寧な説明をすることが必要です。例えばですけど、インタビュー記事なんかを載せてみてはどうでしょうか?社外取締役候補者が取引銀行出身の場合、

Q.出身銀行について意識することはあるのか?

A.そんなことあるわけないじゃないですか。そもそも銀行をやめて●年経過していますし、出身行を忖度する必要もありません。そんなことをしたら、会社から愛想をつかされますよ。私は株主のことを第一に考えるべき立場の人間であると認識しています。出身行の利益を考えても、私には何のメリットもありません。株主のために厳しい意見を申し上げていくつもりです。貴社の社外取締役を外れたとしても、十分な資産はありますから困りませんよ(笑)

こんな感じのインタビューをプレスリリースで公表してみてもおもしろいかもしれません。招集通知には掲載しにくいでしょうから。

 

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