2018年02月27日

No.278 2月25日(日)の「私の履歴書」

 2月25日(日)「私の履歴書」の後半部分に「コニカミノルタ元取締役会議長の植松富司さんは『持ち合い株が総資産の10%を超えている。やめるべきだ』と言われた。買収の動きがあり、防衛を図っていたことを鋭く突かれた。」とあります。いつ頃の話なのかよくわからないので何とも言えないですが、良品計画でも買収の動きを察知したら、持ち合いをやっていたんですね。というのは、良品計画の株主構成を見ればわかります。

 外国人株主比率は50.72%です。ちなみに安定株主比率は10.74%です。この会社は、持ち合いなどをやったところで抜本的な対策にはなりません。良品計画の時価総額は9,900億円です。この株主構成・時価総額であっても、私は買収防衛策を導入した方がよいと考えますが、たぶん、経営陣は嫌がるでしょう。この会社の抜本的な買収防衛策はなんでしょうか?言うまでもありませんね。株価を高めることです。

 でもなんで持ち合いなんかをしようと思ったのでしょうか?可能な範囲で昔の株主構成を見てみましょう。私が見ることのできるものは2006/2期末の株主構成です。

 2006年2月頃はまだ安定株主がそこそこいたから、「持ち合いしてもう少し安定株主を増やそう」と考えたのだろう、と思ったのですが、今より相当安定株主比率が低いですね。本当に買収の噂を経営陣が耳にして、その対策として持ち合いをしたのだとしたら、かなりトンチンカンな企業防衛行動です。だって持ち合いしたって意味ないじゃないですか?株価を見ましょう。なるほど~。まあ、持ち合いしようとした気持ちもわからんではないです。

 今と比べて株価が相当安かったんですね~。1999年あたりをピークにして下がりましたね。2001年から2004年頃の株価は1999年と比べて1/5くらい、今と比べて1/7くらいしかありません。であれば、買収対策として持ち合いをやろうと考えた気持ちもわからんでもないです。ただし、株主構成を見れば持ち合いをやってもムダということがわからなったのでしょう。買収防衛策を導入して対応すべきでしたね。当時であれば取締役会決議で導入する企業もありましたから、良品計画もそうすればよかったのです。

 でも良品計画はきれいな買収対策をしましたね。株価が大きく上昇しています。5,000円だった株価が今では35,000円です。株価が7倍になったのですからこれでもう買収者もあきらめたことでしょう。ファンドだったら、ですが。良品計画を狙っていたのがファンドではなく、事業会社だったら?「35,000円でも安い」と買収者が考えているとしたら?買収対策にはなっていないということです。この株主構成であれば、絶対に買えるでしょう。魅力的な価格を設定し、あとはちょっとした細工をすれば。

 

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